1999 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥収縮ひび割れが生じたコンクリート部材の機能回復を目的とした電着技術の確立
Project/Area Number |
11650463
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大即 信明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 真紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30302946)
宮里 心一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60302949)
二羽 淳一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 補修 / ひび割れ閉塞 / 電着 / 乾燥収縮ひび割れ / 劣化因子浸透抑制 |
Research Abstract |
1.乾燥収縮ひび割れにより劣化した鉄筋コンクリート構造物に対して,電着工法は物質透過抑制機能を充分回復できることが示された. 2.外部溶液の種類は,電着物の種類,析出場所と量に影響を及ぼす.ZnSO_4水溶液およびMgCl_2水溶液を用いた場合,ひび割れおよびモルタル表面ともに電着物を析出できた. 3.乾燥収縮ひび割れの閉塞,およびモルタル表層部の改質に伴う物質透過抑制効果が確認できた.例えば,透水性に関しては,1日間の電着で,ひび割れ部の透水係数がひび割れのない部分より減少した.中性化に関しては,MgCl_2水溶液を用いた場合,3日間の通電で,ひび割れ部の中性化深さがひび割れのない部分より減少した. 4.モルタル内部(電着面から1cm)においても,電着物の析出が確認できた.また,電着により,モルタル内部(ZnSO_4水溶液を用いた場合は電着面から1cm以内の範囲。MgCl_2水溶液を用いた場合は電着面から1cm以内の範囲。)の細孔が緻密化した. 5.ひび割れのない部分の中性化深さは,1日間の電着により,無電着のものの半分に低減した. 6.電着後に乾湿繰り返し作用を受けた場合,電着により回復したひび割れ部の透水抵抗性は保持された. 7.電着物とモルタルの付着強度は最大1.82N/mm^2となり,モルタルの引張強度と同等となった.
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Research Products
(15 results)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Crack Closure and Chloride Extraction of Concrete by Electrodeposition"Transaction of 15^<th> conference on Structural Mechanics in reactor Technology International Conference. 15. VI-65-VI-70 (1999)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Rehabilitation of Concrete with Drying Shrinkage Cracks"Proceedings of the first international conference on Advances in Structural Engineering and Mechanics. 1・2. 1349-1354 (1999)
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[Publications] 大即 信明: "RCはりの補修手法としての電着工法の特性に関する研究"コンクリート工学年次論文報告書. 21・2. 235-240 (1999)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Electro-Chemical Technique for the Repair of Reinforced Concrete"Proceedings of the East Asia-Pacific Conference on Structural Engineering & Construction. 7. 1532-1537 (1999)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Potential for using Electrodeposition in Repair of Cracked Mortar"JSCE First International Summer Symposium. 1. 271-274 (1999)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "乾燥収縮ひび割れにより劣化したモルタルの補修に対する電着工法の適用可能性"材料. 49・2. 215-221 (2000)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Application of Electorodeposition Tehnique for Concrete Rehabilitation"Fifth CANMET/ACI International Conference on Durability of Concrete. (発表予定). (2000)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "鉄筋コンクリートに対する電着工法の有効性に関する実験的検討"コンクリート工学論文集. 11・1. 85-93 (2000)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "コンクリート表面への電着物の生成に及ぼす各種因子に関する検討"セメント・コンクリート工学論文集. (発表予定). (2000)
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[Publications] Nobuaki Otsuki: "Experimental Study of Crack Repair Method by Electrochemical"Proceedings of the ACI 4th International Conference on Repaor,Rehabilitation and Maintnance of Concrete Structures. (発表予定). (2000)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "乾燥収縮ひび割れに対する電着による補修効果のモルタルを用いた実験的検討"セメント技術大会講演要旨. 53. 376-377 (1999)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "電気化学的方法によるひび割れ閉塞と塩分除去に関する基礎的研究"セメント技術大会講演要旨. 53. 374-375 (1999)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "塩害により劣化したコンクリート部材の電気化学的補修に関する研究"日本学術会議材料研究連合講演会講演論文集. 43. 249-250 (1999)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "陸上鉄筋コンクリート部材のひび割れ補修に対する電着条件の選定"セメント技術大会講演要旨. 54(発表予定). (2000)
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[Publications] 大即 信明,宮里 心一: "電着工法-陸上コンクリート構造物に対する適用可能性"東京工業大学創造プロジェクト研究「都市基盤施設研究体」平成10年度シンポジウム. 105-110 (2000)