繊維補強セメント系材料の構成モデルの構築

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11650464
• Research Institution: Yokohama National University
• Principal Investigator: 椿 龍哉 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40134902)
• Keywords: 繊維補強材料 / セメント系材料 / 構成モデル / 鋼繊維 / 力学特性 / 組合わせ応力 / 繰返し荷重

Research Abstract

本研究では,種々の応力状態における繊維補強セメント系材料の挙動を表現できる構成モデルを構築することを目的としている。このため,繊維の方向性・分散性を制御したモデル繊維補強コンクリート供試体を用いて各種荷重状態における挙動を実験的に調べる。供試体は,ひび割れ面を想定した不連続面に鋼繊維を配置した後,不連続面を境に2ブロックに分割された区画ごとに別々にコンクリートを打設して作製する。この作製方法により,ひび割れ面における繊維の方向と間隔を任意に設定できる。使用した鋼繊維は,直線型,フック型,端部定着型の3種類である。以下に平成11年度に行った研究の項目と結果についてまとめる。
1.一軸引張とせん断を受ける場合の変形挙動
引張またはせん断を受ける鋼繊維補強コンクリートの変形特性は,最大荷重および最大荷重時変位に対して繊維形状の影響を受ける。鋼繊維補強コンクリートの挙動は,各繊維の挙動の重ね合わせを基本とし,付着長の影響,相互作用の影響などを考慮することにより表すことができる。また,角度ごとの荷重変位曲線は,多直線モデルで近似できる。
2.繰返し荷重を受ける場合の変形挙動
繰返し引張荷重を受ける場合の影響の度合いは繊維の種類により異なる。また,単調載荷と同様,多直線モデルにより繰返し荷重に対する鋼繊維の引抜け特性を表すことができる。

Research Products

• [Publications] 椿 龍哉: "鋼繊維補強コンクリートの一軸引張およびせん断に対する力学特性に及ぼす繊維特性の影響"コンクリート工学論文集. Vol.10, No.2. 109-118 (1999)
• [Publications] T.Tsubaki: "Deformational Properties of Fiber Reinforced Concrete under Uniaxial Tension and Shear"Proc. of the Fifth RILEM Symposium on Fiber-Reinforced Concretes. (印刷中). (2000)