1999 Fiscal Year Annual Research Report
性能設計における構造物の限界状態の分類とシステム信頼性手法の適用
Project/Area Number |
11650477
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
佐藤 尚次 中央大学, 理工学部, 教授 (30162457)
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Keywords | 性能設計 / 信頼性設計 / 復旧計画 / 最適化 |
Research Abstract |
土木および建築の設計で用いられる基準類の内容を、「鋼構造」「コンクリート」「地盤」などに分類して整理し、平常時と地震時に分けて、主要な限界状態を比較列挙した。一方構造物の用途ごとに、必要とされる限界状態の推定を行い、「人命確保」「耐荷力維持」「早期復旧」分類を行い、力学的挙動と関連づけを試みた。 本年は特に鋼構造を中心に検討したが、例えば、橋梁と建築物では、その用途および構造特性の相違から、もともと座屈耐荷力規定に相違が見られるが、これにもとづき、終局限界以前の挙動にも著しい違いが見られる。また地震時には、使用限界と人命安全に直結する終局限界の間に、もう一つの要求性能を設定することが望ましいが、橋梁では早期復旧が重視されるのに対し、建築物では可住性が重要であって、要求性能の条件も異なってくる。 米国SEAOCの耐震要求性能マトリクスや、ISO2394にみられるように、要求性能に対して適切な信頼性水準を確保することが求められつつあるが、土木学会鋼構造設計基準をこの方向で検討するための必要項目を整理し、土木学会鋼構造の世界の動向シンポジウムで発表を行った。 こうした力学的な研究と並行して、ネットワークシステムの構成要素として橋梁等をとらえ、被害時に生じる限界状態の特性による、復旧の困難度の違いが、ネットワーク全体の復旧過程の最適化計画にどのような影響をもたらすかの検討も行った。この成果の一部は、土木学会システム最適化シンポジウム論文集において公表している。
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[Publications] 佐藤尚次: "性能設計の動向"鋼構造及び合成構造設計・施工基準の世界の動向と今後の展望に関するシンポジウム論文集(土木学会). 24-29 (1999)
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[Publications] 植竹聡,佐藤尚次: "制限共用を考慮したGAによる被災道路ネットワーク復旧計画"システム最適化に関するシンポジウム講演論文集(土木業界構造工学技術シリーズNo.13). 第6号. 113-116 (1999)