2000 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみの集中化によるき裂の発生を伴う鋼製橋脚の地震時終局挙動解析システムの開発
Project/Area Number |
11650483
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 芳顯 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90144188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 誠 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30194624)
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Keywords | 塑性 / 構成方程式 / 延性破壊 / 耐震設計 / 大変形解析 |
Research Abstract |
兵庫県南部地震で鋼製橋脚が受けた主たる損傷としては板要素の局部座屈と亀裂である.鋼製橋脚の局部座屈挙動については地震以後実施された数多くの静的繰り返し実験により,その発生機構や変形能の低下特性などが検討された.さらに,繰り返し塑性を正確に考慮した鋼材の構成則を用いた板・シェル要素による複合非線形解析によれば,局部座屈挙動が精度良く解析できることも明らかにされた.しかしながら,鋼製橋脚の亀裂については静的繰り返し実験でもその発生を完全には再現できず,いまだその発生機構については明確な定説がないのが現状である.ただ,破面観察により,いずれも延性き裂を起点に脆性亀裂が発生しているという事実がある.つまり,局部的な延性破壊発生が脆性破壊発生の必要条件であり,鋼製橋脚の延性破壊挙動を明らかにすることが脆性破壊挙動の解明につながると考えられる. ここでは繰り返し荷重を受ける鋼製橋脚の延性破壊挙動を予測するための解析手法の提案とその適用性について実験により検討した.具体的には金属材料の延性破壊に関係した空隙の発生と成長を考慮した弾塑性材料に関する構成方程式として今まで最も多く数値シミュレーションに使われてきた実績のあるグルソンモデルを新たに繰り返し荷重下に拡張し,3次元個体有限要素に導入することで解析した.一方,解析の適用性を検証するために,円形薄肉断面柱の静的繰り返し実験を行い局部座屈と延性亀裂の発生を観察した.数値解析により延性き裂の発生については発生箇所等の定性的な推定が可能であることが示された.しかしながら,発生時の変形等については,き裂の発生自体の観察などに困難な問題が残されており,さらなる検討が必要であることがあきらかになった.
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[Publications] 小畑,水谷,後藤: "鋼構造の延性破壊の有限要素法解析への導入に関する基礎的検討"土木学会論文集. I-48. 185-196 (1999)
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[Publications] Obata,Mizutani,Goto: "Numerical approach to the ductile fracture of steel members"Proc.ICASS'99. 2. 1021-1027 (1999)
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[Publications] Obata,Matsuo,Goto: "Experimental study on strain localization and ductile fracture of steel-pipe due to cyclic horizontal loading"Proc.ICSCS'01. (掲載予定). (2001)