1999 Fiscal Year Annual Research Report
都市内高速道路における鋼製ラ-メン橋脚の耐震性能評価に関する研究
Project/Area Number |
11650496
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
依田 照彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70112993)
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Keywords | ラーメン橋脚 / 動的応答解析 / 耐荷力特性 / 耐震性能 |
Research Abstract |
鋼製橋脚の地震時動的応答を評価することを目的として、実験的研究やFEM解析、1次元ばね-質点系等の簡易解析などが広く行われてきた。しかし、銅ラーメン橋脚の動的応答解析においては、強震後の残留変位に関する評価法が確立されていないのが現状であり、プッシュオーバー解析の結果を利用した非線形M-φ関係をもつ線材による方法や等価1自由度モデルによる方法においても、最大応答変位は再現されるものの、残留変位についてはさらなる検討が必要とされている。 本研究では、銅ラーメン橋脚を局部座屈による劣化の影響を考慮した梁要素によりモデル化し、汎用FEMコードを用いて動的応答解析を行い、残留変位の評価に注目した。 局部座屈により劣化した部材の挙動は、その部材のプッシュオーバー解析時の先端水平荷重-変位関係で代表されるものとした。解析手順の概要は次の通りである。(1)はじめにシェル要素を用いたFEM解析により、橋脚を構成する部材のプッシュオーバー解析時の水平荷重-変位関係を求め、(2)それを近似できるように調節したバイリニア応力-ひずみ関係を有する梁要素で部材モデル化し直し、(3)その梁要素モデルを用いて動的解析を行う。 上述の手法を矩形断面鋼製橋脚2断面、加速度波形2種の計4ケースの動的応答解析に適用し、その有効性を確認した上で、鋼ラーメン橋脚の動的応答解析に応用した。解析には汎用FEMコードABAQUSを用いた。 その結果、以下のことが分かった。(1)鋼ラーメン橋脚の地震時挙動は、各部材を単柱としてプッシュオーバー解析した場合の荷重-変位関係を近似するような応力-ひずみ関係を有する梁要素のモデルにより、精度良く再現できる。(2)この応力―ひずみ関係には、局部座屈による劣化の影響を含めることが可能である。(3)任意の形状を持つ鋼ラーメン橋脚であっても、同様のモデル化により動的解析を行うことができる。
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