1999 Fiscal Year Annual Research Report
高温履歴を受ける粘性土の微視的構造と工学的性質の変化に関する研究
Project/Area Number |
11650508
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森脇 武夫 広島大学, 工学部, 助教授 (00166456)
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Keywords | 高温三軸試験装置 / 圧密特性 / せん断特性 / 微視的構造 / 高温環境 / 温度効果 / 粘性土 |
Research Abstract |
平成11年度は,まずステップ1の研究として,50〜200℃の高温条件下でせん断,圧密,及び透水試験が行える三軸試験システムを開発・製作した.本研究では載荷装置などは現有の三軸試験装置のものを利用し,供試体を高温状態にするための三軸セルとそれに付随する各種の制御および計測装置を本経費で新たに製作した.本装置では,シリコンオイルで満たしたセル室につながるフローポンプのピストンロッドの変位をパソコンを用いたメガトルクモータによって制御し,高背圧を高精度で負荷することによって100℃以上の高温度条件下で間隙水の沸騰を抑え,各種の三軸試験が実行可能となった.また,供試体のみの温度を変化させることができないので,試験装置自体が温度変化によって変形するとともに,計測装置が温度変化の影響を受ける.そのため,温度変化に伴って変化する試験装置と計測装置のキャリブレーションを実施した.その後,ステップ2として,製作した高温対応型三軸試験システムを用いて高温履歴を受けた粘性土の工学的性質を解明する予定であったが,高温対応型三軸試験システムの開発およびキャブレーションに時間を要したため,この装置を用いて高温履歴を受ける粘性土の力学特性を明らかにすることはできなかった.そのため,ステンレス製のモールドを用いた高温再圧密装置によって70℃の高温状態と20℃の室温状態で作製した粘土の圧密特性とせん断特性の違いを明らかにした.そして,ステップ3の研究として,このようにして作成した高温再圧密粘性土と室温再圧密粘土の微視的構造を定量的に解析し,高温履歴によって粘土の微視的構造がランダム構造に近い構造になることを定量的に明らかにした.
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Research Products
(1 results)