1999 Fiscal Year Annual Research Report
カルカリアス堆積地盤の力学特性とその支持力算定法への適用
Project/Area Number |
11650509
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
村田 秀一 山口大学, 工学部, 教授 (80044618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 幸男 山口大学, 工学部, 助教授 (90274183)
兵動 正幸 山口大学, 工学部, 教授 (40130091)
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Keywords | カルカリアス / 粒子破砕 / 固結力 / 粒子形状 / 圧縮性 / 強度特性 / 拘束圧 / 支持力 |
Research Abstract |
世界の海洋の3分の1の海底地盤は、カルカリアス堆積物でおおわれている。この堆積物は、脆弱な粒子からなり、また、ある程度固結力をもつことが知られている。これまでの土質力学および地盤工学の分野において基礎となる考え方のほとんどが、堅固な粒子からなる地盤を対象として体系づけられてきた。そのため、カルカリアス堆積地盤については、堅固な粒子からなる地盤を対象とした従来の支持カ評価手法では十分評価できないといえる。1980年代半ば以降、カルカリアス堆積地盤上に構造物を建造するケースが増加し、カルカリアス堆積物に関する地盤工学的な立場での研究が活発に行われるようになってきた。これらの研究の多くは、再構成されたカルカリアス堆積物を対象とするものがほとんどで、自然堆積土特有の固結力を取り扱ったものがきわめて少ないのが現状である。また、要素的な力学特性から地盤全体の支持力特性を包括的に取り扱う研究が十分なされているとはいえない。本年度、本研究では、海底堆積物であるカルカリアス砂の変形および強度特性の把握することを目的として、具体的には以下のような検討を行った。 (1)一次元圧縮挙動の把握 カルカリアス堆積地盤の初期応力環境を把握する上で、かつ特に深い基礎の先端付近の応力状態と一次元圧縮状況に関連があるという点で、一次元圧縮挙動を実験的に検討した。一次元圧縮挙動から得られる知見は、簡単な試験であるという意味で工学的に利用価値の高いものといえる。 (2)せん断挙動に与える固結力の影響 現有する低圧、中圧、高圧三軸試験機を用いて、固結カの有無および大きさが力学特性に与える影響を把握した。 (3)せん断挙動に与える主応力方向の影響 現有する中空ねじりせん断試験機を用いて、一般応力条件下における力学特性の把握を行うとともに、粒子形状を現有する画像解析処理システムを用いて把握し、力学特性と粒子形状との関連性についても検討した。
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