2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650517
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
吉村 優治 岐阜工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (30182827)
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Keywords | 堆積環境 / せん断強度 / 内部摩擦角 / 砂地盤 / 粒状体 / 粒形 |
Research Abstract |
これまで研究代表者が行ってきた粒子形状からせん断強度を推定する研究に関しては,実用化の見通しが立ってきたものの,データ数が少なく,また,粒子形状の計測には高価な装置とある程度の熟練を要する。したがって,本研究ではデータの蓄積とその粒子の写真撮影を行い,その写真に基づいて粒状体のせん断強度を推定できる簡易図表を提案することを最終目的にしている。さらに,自然に堆積する砂の粒子形状を含む種々の特徴を分析し,これらの性質が運搬距離や海進・海退などの堆積環境から受けた影響を明らかにし,淘汰や粗粒化・細粒化による自然堆積砂の形状などの特性の変化を見いだせれば,砂の堆積深度や位置のみからせん断強度の推定が可能になるので,その手がかりをつかみたいと考えている。そのために,4年間の継続研究の2年度は昨年度の研究成果を踏まえ,以下の研究を実施した。 1)〈既存データの分析〉 せん断中の初期,ピーク,残留に至る状態で動員されている内部摩擦角を,粒子接点角やダイレイタンシー関係から推定するなど,既存のデータをさらに詳細に分析した。特にアルミ丸棒を用いた2次元モデル実験では,せん断過程をビデオカメラで撮影し,その解析を行った。 2)〈粒子の写真撮影〉 データ蓄積のために,顕微鏡下での写真撮影を行い,最終目標の簡易図表作成の参考のために写真を保存した。また,堆積環境推定のために砂の形状測定や鉱物分析を行った。 3)〈濃尾平野粘性土のコンシステンシー限界の測定〉 濃尾平野の堆積環境推定のために濃尾平野ボーリング試料のコンシステンシー限界を測定した。 以上より,最終目標である簡易図表作成の目処が立った。また,粘性土のコンシステンシーはフォールコーン試験が精度の点で優れていることを提案した。さらには,簡易液状化判定に必要なパラメータを堆積環境を考慮すれば,精度よく推定できることが確かめられた。
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[Publications] 吉村優治: "北陸地方の砂浜の環境保全に関する基礎的研究"「北陸地域の活性化」に関する研究助成事業論文集. 第5回. 37-42 (2000)
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[Publications] 板橋一雄: "濃尾平野臨海部の地盤の堆積過程と工学的性質"第35回地盤工学研究発表会発表講演集. 387-388 (2000)
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[Publications] 内園立男: "濃尾平野臨海部の地下地質と理学情報"第35回地盤工学研究発表会発表講演集. 389-390 (2000)
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[Publications] 吉村優治: "フォールコーン試験装置を用いた液性限界・塑性限界の同時測定に関する研究(第2報)"第35回地盤工学研究発表会発表講演集. 737-738 (2000)
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[Publications] 吉村優治: "フォールコーン試験装置を用いた液性限界・塑性限界の同時測定に関する研究(第3報)"土木学会第55回年次学術講演会講演概要集(III). IIIA-2 (2000)
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[Publications] 加藤正司: "粒状体の力学挙動に及ぼす粒子形状の影響に関するDEMによる検討"建設工学研究所論文報告集. 第42-A号. 113-120 (2000)
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[Publications] 松岡元: "粒子形状に基づいた内部摩擦角の推定法"名古屋工業大学大学院研究成果発表(ポスター). (2000)
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[Publications] 吉村優治: "濃尾平野ボーリング試料の理学的・工学的分析"平成12年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 257-258 (2001)
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[Publications] 吉村優治: "堆積環境を考慮した簡易液状化判定法の研究-稲沢地盤を例として-"平成12年度土木学会中部支部研究発表会講演概要集. 279-280 (2001)