2000 Fiscal Year Annual Research Report
高波浪場における海岸構造物周辺地盤の脆弱化に伴う構造物破壊防止に関する研究
Project/Area Number |
11650529
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前野 詩朗 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20157150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 仁志 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40243068)
名合 宏之 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (00034348)
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Keywords | 変動水圧 / 砂地盤 / 液状化 / 海底埋設パイプ / 個別要素法 / 有限要素法 / 護岸裏込め土砂流出 / 粒子間干渉 |
Research Abstract |
波浪時においては強度の変動水圧が海底地盤上に作用し,海底地盤が周期的に液状化することが知られている.このような強度の変動水圧が作用する場に設置される離岸堤や護岸の根固めブロックが沈下散乱する被害の発生現象を力学的に解明するために,海底埋設パイプライン,防波堤,橋脚などの構造物周辺砂地盤に変動水圧が作用する場合の動的挙動について実験的かつ理論的な検討を行った.その結果,以下のようなことが明らかにされた. 1.海底埋設パイプラインの破壊現象をモデル化した鉛直2次元砂層模型による実験の結果,波などの変動水圧の作用により埋設パイプは徐々に浮上することを明らかにした.また,パイプの浮上に与える物理的要因(変動水圧周期,変動水圧振幅,パイプの埋設深さ,パイプ周辺砂層の透水係数)の影響を明らかにするとともに,パイプに作用する浮上ポテンシャルを提示し,浮上ポテンシャルによりパイプの浮上の有無を予測可能であることを示した. 2.海岸堤防の裏込め土砂の流出に起因する堤防の破壊現象をモデル化した実験の結果,変動水圧場においては堤防全面砂地盤上に作用する変動水圧は堤防裏込め内に振幅減衰および位相の遅れを伴って伝播することが明らかにされた.また,堤防裏込め土砂の流出現象に与える物理的要因を検討した結果,護岸周辺砂層を透水係数の大きな砂層で置換することにより土砂の流出をかなり抑えることができることが示された. 3.変動水圧場における護岸裏込め土砂の流動過程を個別要素法と有限要素法をカップリングした方法により数値シミュレーションした.本研究では,個別要素法のコードの開発・改良を行うとともに,両手法をカップリングさせるための手順を提案した.解析の結果,護岸周辺部の土砂の流動過程を良く再現することが示された.また,護岸根入れ深さを大きくすると裏込め土砂の流動を押さえることが出来ることが本モデルにより再現できた.
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[Publications] 前野詩朗: "変動水圧場における護岸裏込め土砂の流出限界に関する研究"土木学会海岸工学論文集. 47. 926-930 (2000)
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[Publications] 前野詩朗: "護床工からの土砂の抜け出しに及ぼす変動水圧の影響に関する研究"土木学会水工学論文集. 45. (2001)
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[Publications] 後藤仁志: "混相流モデルと個別要素法の融合による高濃度掃流層の数値解析"土木学会論文集. 649,II-51. 17-26 (2000)
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[Publications] 後藤仁志: "個別要素法によるrolling grain rippleの発生過程の数値シミュレーション"土木学会海岸工学論文集. 47. 481-485 (2000)
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[Publications] Hitoshi GOTOH: "Behavior of bed-material particles as a granular material in a bed-load transport process"Journal of Hydroscience and Hydraulic Engineering. Vol.18,No.1. 141-151 (2000)