1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650534
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
水口 優 中央大学, 理工学部, 教授 (50011234)
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Keywords | 長周期波 / 波群 / 浅水変形 / 砕波点 / 遡上 |
Research Abstract |
単一波群を用いて一様勾配(1/20)斜面上での浅水・砕波変形と遡上に関する一連の実験を行った。実験は、波群中の基本波の周期、波の数、波群中の最大波高、波群造波に伴って発生する自由長周期波制御の有無を適当に組み合わせて行った。主要な地点では水位と流速変動の同時測定を行い、長周期波の入反射分離を行った。長周期波に関して得られた結果は以下の通りである。 1)単一波群の浅水変形に伴う自由長周期波の発生は無視できる程に小さい。理由は、浅水変形に伴う波群形状の変化の割合が微小なためである。 2)砕波点の変動に伴う岸向き及び沖向きの長周期波の発生は、Mizuguchi(1995)の単純なモデルにより定量的にも精度よく予測できる。 3)長周期波は遡上域で完全に反射される。また、遡上域で新たに発生する長周期波は観察されなかった。 以上の3点を組み込んだモデルを作ることにより、少なくとも一次元波群に伴う長周期波の浅海域での定量的評価は可能となる。 加えて、遡上域においては汀線近傍に到達する長周期波の成分が重要であり、実験を行うにあたっては自由長周期波の存在に注意を払う必要のあることもわかった。 今後は、長周期波が短周期波(の砕波、遡上)に及ぼす影響の評価の検討とモデル化をおこなう予定である。あわせて、不規則波を波群性の波と見なすことの定量的な妥当性についても検討する。
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