2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650567
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
井上 頼輝 福井工業大学, 工学部, 教授 (90025891)
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Keywords | 酸性雨 / 酸性降下物 / 硫黄酸化物 / 窒素酸化物 / 黄砂 |
Research Abstract |
酸性降下物原因物質は硫黄酸化物と窒素酸化物である。秋元等の示した東アジアの負荷発生量推定値を用い、EliassenがOECDに示した計算方法を適用して、福井における濃度を推定し福井県環境センターの実測値と比較したところ、硫黄酸化物濃度は両者がほぼ一致したが、窒素酸化物濃度は実測値の方が推定値よりも約一桁高かった。現在その原因を追及している。実測値と推定値の比較ができたので、福井の酸性降下物の主要な発生源である中国大陸、朝鮮半島の諸国が将来経済発展を遂げ、それに伴い負荷発生量が増加したとき、その増加量を推定できれば福井の酸性降下物がどのように変化するか予知可能となった。 福井における酸性降下物を福井工業大学の屋上で実測したところ、降雨のpHは年間を通じて3・4であるが、黄砂の飛来する3,4,5月はこれが5台となり酸性雨では無くなる。黄砂はアルカリ性で、酸性雨をかなり和らげているが、地上に降下してからの年間を通じての効果を明らかにする必要がある。 このように福井における酸性降下物の将来を推定する基礎は築き上げられたが、それでは福井の山野はいつ頃まで酸性雨に耐えられるかを知るにはさらに研究を進める必要がある。
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Research Products
(1 results)