1999 Fiscal Year Annual Research Report
河川流域の総合水管理のための水問題分析と水政策分析に関する研究
Project/Area Number |
11650570
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
森山 克美 九州共立大学, 工学部, 教授 (80157932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 慎司 九州共立大学, 工学部, 助教授 (20258338)
古賀 憲一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00108656)
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Keywords | 河川環境 / 流域管理 / 総合水管理 / 水質汚濁 / 水質保全 / 水問題 / 汚濁負荷 / GIS |
Research Abstract |
共に河口堰を有する九州の1級河川である遠賀川,筑後川を研究対象として,流域管理手法の構築に必要な基礎情報となる人口,土地利用形態などの流域特性を地理情報システム(GIS)の利用により整理,データベース化した。また,流域内に配置された環境基準点その他(水道水源としての取水点等)の水質観測データを水質データベース化すると共に,それを利用して流域全体,及び河口堰による湛水域の経年的な水質変動特性を把握した。また,同様に流域内に配置された流量観測所の日流量表を用いて,流域内の上流域から下流域に至るまでの流域内における季節的流量変動特性を検討した。 以上の基礎的検討結果を基に,遠賀川,筑後川流域の水質変動特性と汚濁負荷流出解析を試みた。水質変動については,潅漑期における流量低下が水質に及ぼす影響を明らかにした。汚濁負荷流出解析では,GISデータとして得られる人口フレームと田面積が比例関係にある場合の負荷量に占めるそれぞれの影響を把握する解析法を示した。これは,汚濁負荷を潅漑期と非潅漑期に分離したうえで,その平均値とパラメータ化されたGISデータの関係を解析するものであり,両河川流域において,それぞれの非特定汚染源からのCOD,T-N,T-P負荷を把握することが可能であった。 また,河口堰の河川流況と藻類の関係から、停滞した流況と富栄養化した水質が相乗して,河口堰の有効貯水量に応じたある流量以下になると,湖沼と同様な水質汚濁が高水温期に生じていることも両河川で明らかにされた。
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