2001 Fiscal Year Annual Research Report
変動軸力と2方向横力を受けるSRC柱の変形性能の評価法に関する研究
Project/Area Number |
11650580
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 大介 新潟大学, 工学部, 教授 (90169508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 希祐 新潟大学, 工学部, 助教授 (60134954)
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Keywords | 鉄骨鉄筋コンクリート / 柱 / 変動軸力 / 耐震設計 / 変形性能 / 静加力実験 / 等価軸力 |
Research Abstract |
1.目的 鉄骨鉄筋コンクリート(以下SRCと表記)柱試験体の静加力実験を行い、変動軸力を受けるSRC柱の変形性能を、申請者らが提案している変動軸力を受けるRC柱の変形性能の評価式を援用して評価する方法の妥当性を明かとし、SRC造建物の耐震設計における外柱の設計法の改善を図ることである。 2.実験計画 過去2カ年にわたり、変動軸力を受けるSRC柱の変形性能評価において、 (1)一定軸力を受ける場合と同等に評価するための等価軸力をどう評価すべきか。 (2)RC柱の場合の評価式を適用できるのか。 を解明する基礎データを得るために、変動軸力および一定軸力を受けるSRC柱試験体に、断面主軸方向横力および斜め横力を入力する静加力実験を、計4体の試験体を用いて行った。その結果、圧縮側最大軸力比0.3までの範囲において、各試験体の実験結果に大きな差異は見られなかった。そこで、軸力変動幅をさらに大きくし(軸力比^<*1>)0.5〜-0.2)、断面主軸方向加力および斜め加力について、漸増振幅交番繰り返し載荷を行った。*1)累加降伏軸力を基準とし、圧縮を正とする。 3.実験結果 2体の試験体とも曲げ降伏していた。最大軸力比0.3.の場合と比較して、最大耐力は低く、最大耐力の80%まで強度が低下する部材角は約7%であり、最大耐力以降の耐力低下は大きかった。部材角1〜4%の繰り返し時における履歴ループは、静加力側で逆S宇形、負荷力側で紡錘形であった。等価粘性減衰定数は、最大軸力比0.3の場合とほぼ同等であり、部材角の増加に伴い概ね比例的に増大しており、部材角2〜3%において、負加力側の方が、正加力側より大きかった。 4.まとめ 地震時を想定した厳しい変動軸力の下での断面主軸方向横力および斜め横力を入力する静加力実験を行った。最大軸力比0.3の場合と比較して、最大耐力、変形性能はやや劣るが、エネルギー吸収性能はほぼ同等であった。
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[Publications] 片寄哲務, 土井希祐: "変動軸力を受けるSRC柱部材の変形性能に関する実験的研究"コンクリート工学年次論文報告集. Vol23.1. 661-666 (2001)
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[Publications] 片寄哲務, 土井希祐: "変動軸力と斜め横力を受けるSRC柱部材の静加力実験"鋼構造年次論文報告集. Vol.9. 199-206 (2001)