1999 Fiscal Year Annual Research Report
鋼管横拘束高強度RC柱の曲げ性状に関する実験的研究
Project/Area Number |
11650588
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
孫 玉平 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 助教授 (00243915)
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Keywords | 角形鋼管 / 拘束コンクリート / 高強度コンクリート / 幅厚比 / 軸力比 / 終局曲げ耐力 / 終局曲率 / 終局ひずみ |
Research Abstract |
5種類の幅厚比(B/t=28〜219)を有する角形鋼管により横拘束された高強度RC柱(コンクリートの設計強度が60MPaと100MPa)について、一定軸力下における単調曲げ実験を行い、鋼管の板厚が拘束高強度RC柱の終局曲げ性状に及ぼす影響について、以下の結論を得た。 1)FC=60MPa級の高強度コンクリートを用いたRC柱に充分な曲げ変形能力をもたらすには、軸力比n=0.2以下の低い軸力を受ける場合はB/t=219の非常に薄い角形鋼管を用いて拘束すればよいが、軸力比n=0.3又は0.5と高くなると、それぞれB/t=83又は61以下の角形鋼管を使用する必要がある。 2)FC=100MPa級の超高強度を用いたRC柱の場合、柱に安定した曲げ挙動を期待するには、軸力比n=0.1を受けるときにはB/t=83程度の比較的薄肉の鋼管を用いればよいが、軸力比n=0.3以上となるときにはB/t=43程度以下の角形鋼管の使用を要する。 3)角形鋼管により横拘束された高強度RC柱の終局曲げ耐力は、使用する鋼管の板厚の増加に伴い上昇するが、その上昇量は柱に作用する軸力の大きさの影響を強く受ける。軸力比n=0.2以下の低軸力の場合は、板厚の増加に伴う終局曲げ強度の上昇量が僅かであるが、軸力比n=0.3以上の高軸力の場合は、それが顕著となる。 4)鋼管横拘束RC柱の圧縮域におけるコンクリートの曲げ耐力時の終局ひずみは、鋼管による横拘束効果を受け、その実測値が0.36%〜0.99%にあり、現在設計規準(ACI規準又はAIJ規準の付録)に推奨されている0.3%という一定値を大きく上回っていた。拘束コンクリートの終局ひずみは、鋼管の拘束度合いにほぼ線形比例して大きくなるが、軸力の大きさの影響を殆ど受けない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Sun, K.Sakino: "Ultimate Capacity Design of Confined HSC Columns"Procs. of 5^<th> International Symposium on HSC/HPC. Vol.1. 628-635 (1999)
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[Publications] 池之野陽一,孫玉平、崎野健治: "拘束高強度鉄筋コンクリート柱の終局曲げ性状に関する実験的研究"コンクリート工学年次論文報告集. 第21号. 589-594 (1999)
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[Publications] 川口 晃、池之野陽一、孫玉平、崎野健治、村上和広: "拘束高強度RC柱の圧縮および曲げ性状に関する研究その1 実験概要および試験体"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造C. 763-764 (1999)
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[Publications] 梶原龍生、隈 崇芳、池之野陽一、孫 玉平、崎野健治: "拘束高強度RC柱の圧縮および曲げ性状に関する研究その3 正方形断面柱の実験結果"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造C. 767-768 (1999)
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[Publications] 梶原龍生、孫 玉平、崎野健治、川口 晃: "超高強度RC柱の終局曲げ性状に関する研究その1 正方形断面柱の実験概要と実験結果"日本建築学会研究報告 九州支部. 第39号(印刷中). (2000)
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[Publications] 村上和広、孫 玉平、崎野健治: "拘束高強度RC柱の圧縮および曲げ性状に関する研究その3 終局曲げ性状の評価方法"日本建築学会研究報告 九州支部. 第39号(印刷中). (2000)