1999 Fiscal Year Annual Research Report
連続繊維シート成形管を打込み型枠兼横補強材に用いた合成RC柱の実験的研究
Project/Area Number |
11650592
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山川 哲雄 琉球大学, 工学部, 教授 (50142352)
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Keywords | 連続繊維シート / 成形管 / アラミド繊維 / 打込み型枠 / 横補強材 / RC柱 / ハイブリッド柱 / 高軸力 |
Research Abstract |
平成11年度はせん断スパン比1.5の短柱について、アラミド繊維シート正方形成形管の横補強効果と帯筋量、軸力比などの関係を明らかにすべく、ハイブリッドRC柱試験体に関して一定軸圧縮力下の正負繰り返し水平加力実験を行った。試験体は36.8MPaのコンクリート強度を用いた250×250mmの正方形断面で、内法高さ750mmの柱を4体製作した。主筋比は2.44%とし、軸力比は高軸力比である0.35と0.7で加力実験を行った。その結果、アラミド繊維シート正方形成形管と帯筋で二重に横拘束したハイブリッドRC柱試験体は、0.35はもちろんのこと、0.7という高軸圧縮力下においても鋼管RC柱に匹敵するような靭性に富んだ曲げ破壊先行の優れた耐震性能を示した。ただし、軸圧縮力が高いと曲げ強度略算値が実験値よりかなり小さくなり、せん断設計に大きな支障が生じる結果になることが判明した。これは略算式に横拘束効果にともなうコンクリートの強度上昇分が考慮されていないからである。このようなハイブリッド構造では横拘束効果の影響を考慮することが重要である。 一方、帯筋なしの正方形アラミド繊維成形管のみでは、本試験体の場合横拘束効果が不足し、付着すべりが生じた。付着すべりはコンクリート強度や主筋量に依存し、コンクリート強度が弱い場合や主筋量が多い場合には正方形成形管のみならず、帯筋も必要とする。すなわち、正方形成形管と帯筋で二重に横補強することによって、横拘束効果を増大させ付着すべりを防止することが可能になることを、本実験結果は示している。これらの実験結果をせん断および付着余裕度の観点から整理した結果、両余裕度が共に1を超えると靭性に富んだ曲げ破壊先行が期待できることも大方わかった。次年度はせん断破壊する試験体を製作して、これらのことをさらに検証することを予定している。
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