2001 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートのスケーリング発生に及ぼす表層部品質の影響に関する研究
Project/Area Number |
11650593
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
月永 洋一 八戸工業大学, 工学部, 教授 (60124898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 稔 八戸工業大学, 工学部, 講師 (10295959)
庄谷 征美 八戸工業大学, 工学部, 教授 (80006684)
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Keywords | コンクリート / 凍結融解 / 塩化物 / スケーリング / 飽水度 / 熱衝撃 / プルオフ強度 / 気泡組織 |
Research Abstract |
1.スケーリング試験の継続実施 常圧蒸気養生を施して製造されるコンクリート製品のスケーリング抵抗性について、骨材種類、骨材最大寸法、振動締固め時間、蒸気養生条件および二次養生条件の影響を調べた。この結果、スケーリング抵抗性は、プレーンコンクリートを対象とすると各種条件によって大きな差を生じるが、AEコンクリートを対象とすると各種条件を変えても顕著な差を生じることはなく、スケーリング抵抗性を確保するためには、所要の空気量を連行することが極めて重要な条件であることを確認した。しかし、二次養生条件においては、急激な乾燥や冷却によってコンクリート表層部に微細ひび割れが発生し、スケーリング抵抗性を損なう要因となることが考えられた。 2.スケーリング発生状況の実態調査(追加項目) 東北6件の関連事業者を対象にスケーリングを含めた凍害の発生に関するアンケート調査を行い、スケーリングの発生状況、考えられる原因および凍結防止剤の散布状況などを明らかにした。 3.スケーリング発生機構の考察 塩化物作用下でのスケーリング発生機構を既往の文献より調査し、発生機構を6種類に分類、整理した。また、実験結果から塩化物作用時に発生する熱衝撃および粗骨材の細孔構造の影響について検討し、これらの影響を含めたスケーリング発生機構を体系的に考察した。 4.スケーリング抵抗性確保のための条件 本研究で得られた成果をまとめ、コンクリート表層部に着目したスケーリング抵抗性を確保する条件を考察した。確保するための条件は、調(配)合および施工の両面から提案できるが、塩化物が作用するコンクリートのスケーリング抵抗性を完全に防止することは難しく、凍結防止剤などの塩化物が作用する場所でコンクリート構造物を施工する必要があるときは、発注者、設計者、施工者の十分な事前協議によって防止・抑制策を検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 月永 洋一: "凍結防止剤の影響を受けるコンクリート製品のスケーリング抵抗性に関する研究"第55回セメント技術大会講演要旨. No.55. 144-145 (2001)
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[Publications] 庄谷 征美: "高強度フライアッシュ人工骨材を用いたコンクリートのスケーリング抵抗性"第55回セメント技術大会講演要旨,PP.142-143. No.55. 142-143 (2001)
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[Publications] M.ABA: "Frost Susceptibility of Concrete Containing Low-Quality Coarse Aggregates"Transactions of the JCI. Vol.22. 203-210 (2001)
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[Publications] 月永 洋一: "凍結防止剤の影響を受けるコンクリート製品のスケーリング抵抗性に関する研究"セメント・コンクリート論文集. No.55. 438-443 (2002)