1999 Fiscal Year Annual Research Report
柱梁接合部における冷間成形角形鋼管柱の破断防止に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11650597
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
穂積 秀雄 新潟工科大学, 工学部, 教授 (10084336)
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Keywords | 冷間成形角形鋼管 / 柱 / 繰り返し載荷 / 終局挙動 / ひずみ履歴 / 応力履歴 |
Research Abstract |
1995年兵庫県南部地震では、冷間成形角形鋼管柱の柱梁接合部での破断が多数生じた。延性破断・脆性破断を問わず、この破断を防止するためには、柱梁接合部近傍の柱の応力状態を正しく把握する必要がある。ところで、冷間成形角形鋼管は機械的性質が不均一で、計測したひずみ履歴から応力履歴を得ることには困難が多い。本年度は、基礎的研究として、溶接組み立て後に焼準した試験体を用いて繰り返し曲げ試験を行った。溶接組み立て後に焼準したことは、荷重履歴の初期の段階でのひずみの乱れを防止することにも効果が見られた。実験変数は幅厚比である。 計測は、荷重一変位曲線、溶接部近傍のひずみ履歴および局部座屈波形である。座屈波形は除荷後に型取りゲージを用いて行った。ひずみは、鋼管角部と定番部の挙動の相違を見る目的で、短軸と三軸の塑性ゲージを繰り返し貼付して計測した。 荷重一変位曲線は極めて安定した紡錘形を描いたが、局部座屈の進行により若干の劣化が見られた。局部座屈の発生前までのひずみ履歴は、平板部の中央と角部では明らかに挙動が異なり、ダイヤフラムの拘束効果が確認された。また、局部座屈の発生により、ひずみ履歴に影響が見られた。 次年度の解析に先立って、ひずみ履歴から応力履歴の算出を予備的に試みた。完全弾塑性体を仮定しロイスの方程式に従った。妥当と思われる応力履歴が得られている。鋼管表面では板厚方向の応力が生じないことから、等方応力の増大は見られず、いわゆる三軸応力度は小さい。
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