2000 Fiscal Year Annual Research Report
建築空間の音声情報伝達性能に対応する主観評価法及び物理指標に関する研究
Project/Area Number |
11650618
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
翁長 博 近畿大学, 理工学部, 講師 (20233570)
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Keywords | 単語了解度 / 音声伝達性能 / 発声レート / キャリアフレーズ / 親密度 |
Research Abstract |
1.実験室における了解度実験 平成11年度に開発した試験用音源を用いて、残響・騒音の条件を変化させて音声了解度の主観評価実験を行い、標準的音声了解度試験用音源の作成のための基礎資料を得た。 (1)発声レートを変化させた音源による実験をおこない、残響音場では発声レートが大きいほど了解度が低下する傾向が、特に高齢者では顕著に現れることが確認できた。しかし、話速変換ソフトによる処理を行った音声の品質に問題があり、定量的な結論を得るには至っていない。来年度も引き続き検討を行う予定である。 (2)キャリアフレーズの有無により了解度試験の結果には有意な差があり、残響の影響を評価する為にはキャリアフレーズが必要であることを確認するものとなった。 (3)キャリアフレーズと試験用単語の間のポーズを3段階に変化させた実験をおこない、ポーズの長さが了解度に影響を与えることを明らかにした。 2.実音場における了解度調査 残響時間や反射音構造が様々な講義室、ホール等における音声了解度の調査をおこなうことが、今年度の研究目標の一つであった。学内の大小さまざまな講義室・ゼミ室やホールにおいてインパルスレスポンスの測定を行い、それから各種物理量を算出するとともに、そのインパルスレスポンスに音声信号を畳み込むことにより「聞き取りにくさ」に関して主観評価実験をおこなった。「聞き取りにくさ」と各種の物理量の相関関係を調べた結果は、これまでに提案された各種の物理量は、STIを含めて何れも「聞き取りにくさ」とあまり高い相関を示さず、新しい物理指標の必要性が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 翁長博: "音声明瞭度・了解度指標としてのSTIの妥当性に関する考察"日本建築学会計画系論文集. 533号. 1-8 (2000)
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[Publications] Hiroshi Onaga: "On the disagreement between speech transmission index (STI) and speech intelligibility"Acoustical Science and Technology. (未定).