1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11650653
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 恵介 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50156816)
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Keywords | 中世本堂 / 組物 / 長寿寺本堂 / 大報恩寺本堂 / 西明寺本堂 / 霊山寺本堂 / 室生寺本堂 |
Research Abstract |
本年度の調査は、中世の本堂建築を中心に行なった。 [1]中世の本堂建築の約80棟について、図面を集めた。 [2]上記本堂建築の、組物について分析を進めた。作業手順は次の通り。 (1)柱列(入側柱列など)ごとに組物の種類を調査。 (2)その列と平面との整合性、非整合性を調査。 (3)柱列の外部と内部の表現の差を調査。 [3]得られた知見 (1)鎌倉初期の建築として、長寿寺本堂、大報恩寺本堂、西明寺前身本堂があるが、長寿寺本堂は柱の裏表で表現をかえていて非整合性であるのに対し、後の2棟の本堂は古代的な身舎・庇の構成をとり、さらに出三斗またはそれに近い細部をもつ。長寿寺本堂は礼堂が独立した意匠をもつのに対し、後の2棟は全体の意匠構成が優先しており、それが平面にも強制力を与えている。中世では、全体として、中世的庇・身舎の構成を意識した意匠構成を取るものが多い。 (2)組物を表現として用いる建築に対し、天井を張ってそうしない建築もある。霊山寺本堂、室生寺本堂はその早い例である。12世紀の願成寺阿弥陀堂、冨貴寺大堂でみられるように全て格天井を用いる方法である。中世でもこの方法は、架構意匠を作らない手法として、全期間に用いられた。 (3)14世紀になると、組物と平面(部屋)との対応が進み、片側だけ組物を使う例が増える。
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