1999 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケル基L1_2型金属間化合物における原子拡散のメカニズム
Project/Area Number |
11650680
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
沼倉 宏 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40189353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克志 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30236575)
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Keywords | 金属間化合物 / 規格格子合金 / 内在的点欠陥 / 拡散機構 / 熱力学的活量 / 電気抵抗 / 規則度 / 規則-不規則転移 |
Research Abstract |
拡散機構を考察する際に重要な情報となる点欠陥の性質を明らかにするために,Ni_3Al,Ni_3GaおよびNi_3Geの高温における熱力学的挙動を実験により調べた.まず,固体電解質を用いた起電力法により,種々の組成のNi_3GaおよびNi_3Ge試料について,成分元素(Ni_3GaではGa,Ni_3GeではGe)の熱力学的活量を1100Kから1250Kの温度範囲で測定した.Ni_3Gaについては,活量の組成による変化から規則化エネルギーの値が0.101±0.002eVと求められた.Ni_3Geについては実験方法に問題がありまだ確固とした結果が得られていないので,次年度に方法の改良を試みる.次に,Ni_3Alの仮想的な規則-不規則転移温度を評価する実験を行った.Ni_3Alは融点まで規則構造を保つが,AlをFeで置換すると規則-不規則転移が融点以下でおこるようになり,Ni_3AlとNi_3Feは低温でL1_2構造の擬二元系連続固溶体を形成する.本研究ではAlの一部をFeで置換したFe濃度が2%から5%の試料を作製し,高温で電気抵抗をその場測定して,各組成での規則-不規則転移温度T_cを正確に求めた.それらをFe濃度ゼロに外挿して,Ni_3AlのT_cを1700±10Kと評価した.この値を用いて統計熱力学的な理論計算を行えば,拡散において重要な役割を果たすアンチサイト欠陥の濃度を高い信頼性で計算することができる.
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Research Products
(1 results)