2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
草場 啓治 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60186385)
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Keywords | 高温高圧 / 硫化物 / 硫黄 / 放射光 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き複硫化物の高圧合成において必須基礎データと言うべき硫黄単体の高温高圧挙動を、高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所のARに設置されているMAX80を用いたその場観察実験と東北大学金属材料研究所の高温高圧装置を用いた凍結実験で調べ、硫黄の3種類の高圧相の安定域および融点の圧力依存性を、17GPaまでの範囲で明らかにした。 また、本年度は東北大学金属材料研究所の設置されている600トンプレス装置を用い、複硫化物の高圧合成に不可欠な高温高圧技術の確立を目指した。現在、15GPa、1000℃の高温高圧条件を数時間保持可能となっている。この高温高圧技術の確立に関しては、J.Crystal Growthに投稿し、現在印刷中である。 現在、この発生圧力上限の拡大に伴い、試料容器の最適化を進めており、従来の窒化硼素の試料容器より、酸化マグネシウムを用いた試料容器の方が、上記高温高圧条件下では硫化物合成に適していることが明らかになってきている。 さらに現在、酸化物と硫化物を含むカルコゲン化合物の高温高圧挙動の違いについて、酸化亜鉛と亜鉛カルコゲン化合物を例にとり調べている。これまでのところ、イオン結合性の強い酸化亜鉛は単純な高温高圧挙動を示すのに対し、共有結合性の割合が多くなるカルコゲン化合物の場合、複雑な高温高圧挙動が見出されつつある。このイオン性の強い酸化物と相対的に共有結合性が強くなるカルコゲン化合物の高温高圧挙動の違いは、機能性複硫化物の高圧合成に重要な指針を与える可能性がある。
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Research Products
(1 results)