1999 Fiscal Year Annual Research Report
超低周波超高温機械的分光法の開発とセラミックスへの応用
Project/Area Number |
11650696
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
太田 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10150351)
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Keywords | 強制振動法 / 機械的分光法 / 内部摩擦 / セラミックス / 高温 / 粒界 / 粘性 / 拡散 |
Research Abstract |
強制捻り振動の自由減衰波形からセラミックスの振動級数を測定する方法を強制的に振動させている時の駆動力と試験片の歪みの間の位相を精密に測定することで振動数範囲を数ヘルツから0.1ミリヘルツまで任意に変化させながらそれぞれの周波数での駆動力と歪みの位相を測定する方法を確立した.この位相の正接が振動の吸収(内部摩擦)になる.この事により機械的な振動の吸収を測定する機械的分光法を確立した.これまでの測定技術として超高温まで自由振動法を用いた測定法があったので、この高温技術と組み合わせて超低周波超高温機械的分光法のプロト-タイプを完成した.セラミックスの超高温での、言い換えると融点直下での測定にこの方法を応用したところセラミックッスが水飴状になるほど柔らかくなった状態における内部摩擦を測定することが可能となった.このような水飴状の材料の内部摩擦は自由減衰法では測定できない事であった.これらの測定結果、超高温での内部摩擦の活性化エネルギーが温度の上昇と共に高くなることが見いだされ、活性エネルギーが温度に依存するものであることを見いだした.この事は特に粒界粘性がいくつかの現象の重なりであることを意味していた.比較的低温では粒界ガラス相内の酸素の拡散であり、それ以上ではいくつかのクラスターが協調的に運動する事を明らかにした.このように、融点直下での粒界粘性は様々な機構の拡散が重なりあった現象として理解された.
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