1999 Fiscal Year Annual Research Report
層状ケイ酸アルミニウム/シリカ・ハイブリッド膜の微構造と特性
Project/Area Number |
11650698
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡 孝則 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10136541)
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Keywords | スメクタイト / シリカ / 複合 / 膜 / ハイブリッド / ナノコンポジット |
Research Abstract |
スメクタイト(SM)を蒸留水に分散させた後、塩酸水溶液およびエタノールを加え、珪酸塩層がナノサイズで分散した溶液を作製した。別にSi(C_2H_5O)_4(TEOS)をエタノールに溶解した溶液を作成し、これにSM分散液を徐々に添加、混合した。これを80℃で加熱することにより、SM/シリカ複合ゾルを作製した。SMを添加しないTEOS-H_2O系溶液では、原料の[H_2O]/[TEOS]比の増加と共にシリカ生成速度が速くなり、溶液粘度が上昇し、ゾル化することがわかった。一方、SM-TEOS-H_2O系溶液では、SM添加量の増大と共に粘度の上昇速度が低下し、0.5wt%以上のSMを添加すると粘度上昇が全く認められなかった。ただし、この場合でも数時間後にはゾルの形成が認められた。生成ゾル粒子はSM添加量の増加と共に数nm(0wt%)から数十nm(0.5wt%)に大きくなり、粒子径分布も狭くなった。これはTEOSの重縮合によるシリカがナノサイズの珪酸塩を取り囲み、凝集させたためと考えられる。この粒子径の増大が粘度の上昇を抑制したものと考えられる。SM(0〜0.5wt%)/シリカ複合ゾルをガラス基板上にディップコートし、SM/シリカ複合膜を作成した。コーティング回数を変えることにより膜の厚さを0.5μmから3μmまで制御できた。この際、膜性状はSM添加量により変化し、0wt%SMのシリカ単独膜では大きな亀裂が多く見られ、膜形態を呈していなかったが、SM(0.5wt%)/シリカ複合膜では亀裂は全く認められなかった。これより、ナノ珪酸塩層が乾燥による膜の収縮を抑制していることがわかった。
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