2000 Fiscal Year Annual Research Report
層状ケイ酸アルミニウム/シリカ・ハイブリッド膜の微構造と特性
Project/Area Number |
11650698
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Research Institution | SAGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡 孝則 佐賀大学, 理工学部・機能物質化学科, 教授 (10136541)
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Keywords | スメクタイト / ケイ酸アルミニウム / シリカ / ハイブリッド / 膜 |
Research Abstract |
シリコンアルコキシド(TEOS)溶液にスメクタイト(SM)を分散させ、加熱、重合することによりケイ酸塩層/シリカ複合ゾルを作製した。これをガラス板上にコーティングした後、加熱によりナノサイズのケイ酸塩層が分散したシリカ膜を作製した。SM無添加のシリカ膜では、膜厚は塗布回数に比例して増大し、また[H_2O]/[TEOS]比の増加により低下した。また、塩基性の重合触媒を用いた場合、酸触媒より厚い膜が得られることがわかった。これは塩基触媒下では0.5μm程度の球状ゾルが生成するのに対し、酸触媒下では数nmの微粒子が生成するためである。TEOS溶液にSMを混合した場合、酸触媒下では塗膜は約10倍程厚くなり、3回以上の塗布膜では剥離が認められた。これはSMのナノケイ酸塩層により重合ゾルの連結が促進され、ゾルの粘度が増大したためである。しかし、塩基性触媒下ではSM添加によりゾル状態は変化せず、そのため膜厚にもSM添加効果が認められなかった。シリカ複合膜には乾燥収縮によると考えられる数μmのクランクが認められ、このクラック生成はSM添加により低減できたが、完全には抑制できなかった。シリカ複合膜のX線回折では非晶質シリカ特有のブロードなピークのみ認められ、SMによる回折線は認められなかった。これより、ケイ酸塩層はシリカ膜内に均一に分散していると考えられた。
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