1999 Fiscal Year Annual Research Report
電子・酸化物イオン混合導電性セラミックスの酸素透過挙動と導電特性
Project/Area Number |
11650699
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 知 姫路工業大学, 工学部, 教授 (50047586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶺重 温 姫路工業大学, 工学部, 助手 (00285339)
小舟 正文 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (90240960)
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Keywords | 酸素透過 / 混合導電体 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
1.La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_<3-δ>の酸素不定比性、電子導電率の酸素分圧依存性を明らかにした。 La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_<3-δ>は電子と酸化物イオンの混合導電体であり、酸素透過膜への応用が検討されている材料である。本所究ではこの試料の酸素不定比性と電子導電率の酸素分圧依存性を調べた。導電率は1273K、種々の酸素分圧(-3.67【less than or equal】log[P(O_2)/atm]【less than or equal】-0.68)で十分アニールした後、その酸素分圧を保ったまま-100Kh^<-1>の冷却過程で測定した。その結果、高温域では酸素分圧低下とともに電子導電率は次第に減少したが、-3.17【less than or equal】log[P(O_2)/atm]では、低温域で各々の導電率はほぼ同じ値を示した。一方-3.67【less than or equal】log[P(O_2)/atm]<-3.17では、室温まで冷却しても空気中(log[P(O_2)/atm]=-0.68)での導電率の値と一致が見られなかった。これら試料の冷却後の酸素不定比性を評価したところ、室温での導電率に大きな差が見られた-3.67【less than or equal】log[P(O_2)/atm]【less than or equal】-3.17よりも高い酸素分圧ではほほ定比の酸素量を示したが、低い酸素分圧では高温下で生じた酸素空孔を埋めるための酸素を冷却時に十分に取り込めておらず、これが導電率を減少させていることがわかった。この材料を酸素透過膜として用いるためには試料の両側に酸素分圧の異なる気体が接することになり、試料内で電子導電率は大きく変化することがわかった。 2.次年度の方針 高及び低酸素分圧間に置いた試料内部に生ずる酸素ポテンシャル分布を求める。それによって先に求めた導電率の酸素分圧依存のデータより、試料内部の導電率の変化といった、膜内部の状況を明らかにし、酸素透過能の更なる向上を図るための指針を得る。
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