1999 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造制御によるニオブ酸鉛の高周波用圧電セラミックスへの利用
Project/Area Number |
11650700
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 敏夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70090040)
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Keywords | ニオブ酸鉛 / 焼結 / 微細構造 / 添加物 / 圧電特性 / 誘電特性 |
Research Abstract |
平均粒径0.9および2.2μmの高温相PbNb_2O_6粉体を合成し、1250°〜1300℃の温度で1時間焼成し、粒径とクラック発生状況を調べた。焼結体の平均粒径は1250℃のときに5μmであり、温度の上昇に伴い、粒径は増加したが、その程度は0.9μmの粉体を用いたときの方が大きい。いずれの焼結体にもクラックが発生していたことから、クラックの発生しない臨界粒径は5μm以下であることが分かった。 粒成長を抑制するために、La^<3+>、Gd^<3+>、Dy^<3+>、Ti^<4+>、W^<6+>の添加物の効果を調べた。粒成長を抑制する効果の認められた添加物はLa^<3+>であった。La^<3+>を2%添加し、1250℃で焼成した場合の平均粒径は約2μmであり、焼成温度を1300℃にしても約4μmであった。La^<3+>添加量の増加に伴い、平均粒径は減少した。焼結体には殆どクラックが認められなかったことから、クラック生成の臨界粒径は約4μmであることが分かった。その他の添加物を加えた場合には、粒成長が不均一になり、粒径分布が大きくなった。特に、Ti^<4+>を添加した場合にはduplex構造になった。この場合、大きな気孔が発生し、その大きさは焼成温度の上昇に伴い大きくなった。 純枠なPbNb_2O_6の誘電率は約300であるが、添加物を加えることにより誘電率が高くなり、例えば、5%のLa^<3+>を加えた焼結体では約800であった。また、添加物を加えることにより分極が容易になり、圧電性が改善された。例えば、通常のPbNb_2O_6の周波数定数は1600程度であるが、La^<3+>を加えることにより約2200まで上昇した。
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