1999 Fiscal Year Annual Research Report
リラクサー型強誘電体単結晶育成用電気炉の開発および単結晶育成技術の確立
Project/Area Number |
11650705
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 一彦 岐阜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (40249793)
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Keywords | リラクサー / 強誘電体 / 結晶育成 / 高温電気炉 / 強度制御 / 溶融法 |
Research Abstract |
現在市販されている型の電気炉は、温度制御が画一的で、昇温時、降温時における制御に工夫を凝らすことができず、特に高温時での制御に工夫の余地があった。そこで、通常の電気炉では難しい温度制御をかなりきめ細かく行える特性をもった高温用電気炉を設計・製作し、大型で良質のリラクサー型強誘電体単結晶の育成を目的とした。今回は、高温状態で高精度な温度制御が可能な電気炉の設計・製作をメインに行った。電気炉に使用するヒーターは、常温1500℃(最大で1550℃)で使用することを想定し、SiC発熱体(エレマSG特)を用い、200vの3相交流を電源とし、サイリスタによる電流制御装置を設計し試作した。炉の内壁材は、炉床板としてバブルアルミナボードを使用し、内壁は高耐熱用セラミックボードを使用した。炉内の温度制御は、温度コントローラのプログラムによるPID制御方式を採用し、発熱体の電流を制御することにより行っている。温度制御に関しては、温度モニター用パソコンから、RS-232Cによって温度コントローラに制御プログラムを転送し、温度制御をよりきめ細かく行う手法を開発する予定である。これにより、複雑な結晶構造をもつリラクサー型強誘電体結晶の育成を手がけることが可能となるので、最適な結晶育成条件を探し出すことを行いながら、大型の単結晶を育成する計画である。電気機械結合係数の大きな材料として、Pb(Sc_<0.5>Nb_<0.5>)O_3、xPb(In_<0.5>Nb_<0.5>)O_3(1-x)PbZrO_3等が知られているが、大型で良質の単結晶は得られておらず、また、高融点の材料もいくつか存在し、単結晶育成が期待されるものも多い。今後は、電気炉の調整、改良を行いながら、単結晶の育成に重点を移し、材料開発を中心に研究を進める計画である。
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