1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650723
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
丹羽 直毅 工学院大学, 工学部, 教授 (30011208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣木 富士夫 工学院大学, 工学部, 助教授 (50119046)
塩田 一路 工学院大学, 工学部, 教授 (90255612)
岸 輝雄 東京大学, 先端科学研究センタ, 教授 (40011085)
小林 光男 工学院大学, 工学部, 講師 (70100302)
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Keywords | 表面改質技術 / 構造材料 |
Research Abstract |
表面改質技術は,構造材料の特性向上に対する有効な手法として広く認知されているが,PVD,CVD,溶射法等の従来法には,技術的課題が存在する.安定した皮膜特質を確保した緻密な厚膜を形成は,既存技術での克服では困難であり,新しいプロセスの創製が不可欠であると考えられる.超微粒子積層法は,超微粒子(不活性ガス雰囲気中で材料を蒸発させることで蒸発原子と不活性ガス原子が衝突し,蒸発原子が凝集することにより生成する)を差圧により生じるガス流に乗せ,基板上に数百m/sという高速で堆積させる手法である. 本研究は,高い成膜速度を有し,緻密な厚膜形成が可能である超微粒子積層法を構造材料に対する表面改質技術への応用を試みる.本法の特徴をいかし,緻密な厚膜形成,組成の異なる界面の不連続性の緩和等の従来法では解決し難い技術課題を克服したプロセスの確立を目指す. これまで,超微粒子積層法は,超微粒子の特異な性質をもとにした機能性薄膜材料作製法として活用されてきた.そのため,研究計画に基づき平成11年度は,本研究主旨に添うよう本法の装置を検討した.検討の結果,チタン基板上に金属光沢を有するチタンおよびアルミの厚膜を形成させることに成功した.また,装置の制御パラメータを決定し,膜特質に影響を及ぼす諸因子の基礎的知見を得た.作製した試料の評価としては,界面および膜組織をSEMにより観察した.膜断面の観察では,基板からの剥離は認められず,界面からの連続性を保ち良好な界面を形成し,高い密着性が得られているものと判断できた. 平成12年度は,力学特性試験,皮膜の状態解析を検討し,本法による皮膜の総合的評価をおこなうよう計画している.構造材料に対する表面改質技術としての本法の確立を目指し,表面改質技術として本法が広く応用・展開されるプロセッシングへと発展させていくことを考えている.
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