1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650735
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴村 暁男 東京工業大学, 工学部, 教授 (80114875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池庄司 敏孝 東京工業大学, 工学部, 助手 (40302939)
大竹 尚登 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40213756)
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Keywords | 超伝導 / セラミックス / 拡散接合 / インサート材 / 臨界温度 / 臨界電流密度 / 帯磁率 / 接合強度 |
Research Abstract |
酸化物系超伝導材料のうち、臨界温度T_cが90K級のYBa_2Cu_3O_<7-x>系(Y系)超伝導材料は、最も一般的であり実用化が期待されている。実用化に際しては、材料の成形加工及び接合技術が不可欠であるが、特に焼結バルク体の接合技術についてはこれまでほとんど報告されていない。本研究では、まずY系セラミック高温超伝導バルク体を作製し、このバルク体同士を直接接合することが困難であることを確認した上で、接合を促進するためのインサート材の開発を行った。脆性なセラミック超伝導バルク体を接合するためには、接合界面に軟質層あるいは液層を介在させることが望ましい。一方、接合界面に超伝導を妨げる層が介在することを避ける必要がある。本研究では、超伝導特性を有しながらY系よりも低い融点(包晶温度)を有するRE系超伝導材料をインサート材として用い、Y系の接合を試みた。さらに、超伝導特性および接合強度向上を目的にAg添加の効果について検討した。以下に、本研究によりこれまでに得られた主な結果をまとめて示す。 1.接合部に形成されるY系およびRE系の混合層あるいは拡散層の特性を調べた結果、どの混合比率においても各々の超伝導相は独立して形成され、超伝導特性を発揮する。 2.RE系にAgを添加すると、包晶温度は約35K低下し、接合性を向上させる。 3.直流4端子法及び帯磁率法によるY系バルク体の臨界温度は約87Kであるが、帯磁率が検出されなくなる温度は約68Kと測定された。 4.接合体の臨界温度は母材と同等であったが、臨界電流密度および接合部強度は母材と同等にはならなかった。接合部における211相の形成、および気孔の生成等が原因と考察された。
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