1999 Fiscal Year Annual Research Report
高品質・高速深溶込み溶接部作製のための真空中レーザー溶接法の開発
Project/Area Number |
11650740
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 聖二 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (10144528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松縄 朗 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (20029119)
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Keywords | レーザ溶接 / 真空中溶接 / 溶接現象 / キーホール / 溶接欠陥 / ポロシティ / アルミニウム合金 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
X線透視映像法を用いて,アルミニウム合金とオーステナイト系ステンレス鋼の高出力YAGレーザ溶接時のキーホール挙動と気泡およびポロシティの生成状況の観察を行った.また,アルミニウム合金とステンレス鋼のYAGレーザ溶接時溶融池内部での湯流れ現象について観察し,CO_2レーザ溶接時の挙動と比較検討を行った.さらに,真空装置を作製し,アルミニウム合金CO_2レーザ溶接時の溶込み深さとポロシティの低減ならびにステンレス鋼YAGレーザ溶接時の溶込みとポロシティの低減に及ぼす真空度の影響について検討した.その結果、(1)高出力YAGレーザ溶接時には,いずれの材料においても,大きな気泡がキーホール底部先端部から発生し,溶接部上部や表面まで達成し,消失するものもあるが,トラップされたものがポロシティとなることが判明した.(2)ステンレス鋼溶融部内底部での湯流れはYAGレーザの方が激しく,キーホール周辺での湯流れも異なることが判明した.(3)ステンレス鋼の窒素シールドガス中でのレーザ溶接では、キーホールが細く,気泡が生成しないため,ポロシティが生成しないことが判明した.(4)ステンレス鋼の窒素シールドガス中でのCO_2レーザ溶接では、窒素が多量に固溶され,凝固過程とその結果生じるミクロ組織が変化し,凝固割れが起こる場合があることが判明した.(5)アルミニウム合金およびステンレス鋼の真空溶接では,真空度の増加と共に,溶込み深さが増加し,ポロシティがない溶接部の生成が可能であることが判明した.(6)アルミニウム合金の真空溶接では,Mgの蒸発損失が起こるが,高速度だはそれほど顕著でないことがわかった.以上、ポロシティの生成挙動と湯流れ現象が明らかになり、ポロシティの防止に及ぼす真空溶接の効果が確認され,高品質・高速レーザ溶接法確立のための知見が得られた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 瀬渡,片山,松縄: "高出力YAGレーザ溶接時のポロシティ生成機構の解明"溶接学会全国大会講演概要. 第65集. 242-243 (1999)
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[Publications] 水谷,田中,片山,松縄,野城: "真空微小重力下のおける溶接性とポロシティの低減法"溶接学会全国大会講演概要. 第65集. 244-245 (1999)
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[Publications] N.Seto,S.Katayama et al.: "Relasionship between Plasma and Keyhole Behavior during CO_2 Laser Welding"Proc. ICALEO'99. (1999)
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[Publications] S.Katayama,T.Tanaka et al.: "YAG Laser Spot Welding Under Microgravity and Vacuum"Proc. ICALEO'99. (1999)
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[Publications] 片山: "レーザ溶接"溶接学会第169回溶接法研究委員会資料. SW-2670-00. 1-20 (2000)
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[Publications] 瀬渡,片山,松縄: "プラズマ挙動とキーホール挙動の相関"第48回レーザ熱加工研究会論文集. 48. 36-41 (2000)