1999 Fiscal Year Annual Research Report
繰返し予ひずみを受ける溶接材における材質・強度の超音波による非破壊評価システム
Project/Area Number |
11650746
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小田 勇 熊本大学, 工学部, 教授 (40040399)
|
Keywords | 異材接合体 / 予ひずみ / 応力拡大係数 / 破壊強度 / き裂開口変位 / 破壊力学 / 非破壊評価 |
Research Abstract |
溶接・接合材の典型的な例として、二種類の板材を爆発接合したクラッド材をとりあげた。このような部材が繰り返し予ひずみを受けた場合には、き裂状欠陥の発生や異材の変形能の差に起因する接合境界でのはく離の発生が考えられる。まず、接合境界面近傍に境界面と垂直方向のき裂が存在し、き裂線に垂直方向の引張荷重が働く場合について、き裂近傍の変形挙動を赤外線サーモグラフィー等を用いた実験とFEM解析により検討した。続いて、はく離状欠陥とき裂との干渉効果のみについて検討するため、均質材にはく離状欠陥とき裂が存在する場合について引張試験を行ない、き裂近傍の応力分布、応力拡大係数や破壊強度について検討した。 1.不均質材においては、き裂先端材が同一な均質材と比較した場合、き裂先端の前方に存在する異質材が、き裂先端材よりも高強度かあるいは低強度かによって、それぞれ変形が抑制されるかあるいは助長される。 2.不均質材の変形は圧縮残留応力あるいは引張残留応力により、それぞれ、抑制され、あるいは助長される。 3.接合境界面近傍には硬化域が存在し、き裂材の変形を抑制する。 4.赤外線応力画像システムを用いて、き裂近傍の主応力和を測定することにより、き裂先端応力場に及ぼすはく離状欠陥の影響を非破壊的に把握することができる。 5.はく離状欠陥近傍にき裂を有する材の破壊強度は、一般にき裂のみを有する材のそれよりも低くなる。脆性破壊強度は、き裂先端からはく離までの距離が短くなるほど低くなる。このことは、応力拡大係数と線形弾性破壊力学の概念によって説明することができる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Isamu Oda: "effect of Explosion Bonding on Deformation near a Crack in Copper-Clad Mild Steel Plate"Proceedings of the 13^<th> Asian Technical Exchange and Advisory Meeting on Marine Structures,Keelung,Taiwan. 475-484 (1999)
-
[Publications] Isamu Oda: "Deformation near an Edge Crack Close to the Material-Separation Slit"Proceedings of the 13^<th> Asian Technical Exchange and Advisory Meeting on Marine Structures,Keelung,Taiwan. 233-240 (1999)