1999 Fiscal Year Annual Research Report
ケミカルデアロイング法によるナノスケールポーラス非平衡材料の創製と触媒への応用
Project/Area Number |
11650764
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山内 勇 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60029189)
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Keywords | リーチング / 非平衡 / 炭酸ガス固定化 / メカニカルアロイング / 触媒 / 相変態 / メタノール改質 / 急冷凝固 |
Research Abstract |
CO_2+3H_2→CH_3OH+H_2Oで表される炭酸ガスの固定化反応では触媒が極めて重要である。著者らによってZnを少量含むラネーCu系触媒が極めて有効で中でもZnの役割が重要と考えられた。しかし、従来の方法ではZn量を変化させることが困難であった。本研究の初年度としてZnを過飽和に固溶した前駆体の作成方法についての検討それらからAlをリーチングしたことによる生成物の構造および比表面積などについて実験を行った。 実験では種々の組成のAl_<70>Cu_<30-X>Zn_X3元合金前駆体を通常の溶解、鋳造法、急速凝固法およびメカニカルアロイング法を使って作成し、それらの組織、構造およびZnの分配を走査型電子顕微鏡やX線回折、EPMAで調べた。また、得られた前駆体合金を20%NaOH水溶液中でリーチングし、同様に構造変化をAl,Znの残留量などを調べた。また、BET法によって、比表面積も調べた。 これらの結果次のようなことがわかった。 1)徐冷凝固法ではZnは主としてAl相の方に分配し、CuはAl2Cu相の分配することがわかった。 すなわち、従来の徐冷凝固ではZnをCuと共に固溶した前駆体を得るのは困難であった。 2)急速凝固法やメカニカルアロイング法では平衡状態とは異なった相が生成したり、平衡相であってもZnを強制固溶した前駆体が得られることがわかった。 3)徐冷凝固材ではリーチングによってZnの大部分はラネー銅の残らず、急速凝固やマカニカルアロイング材のリーチングでZnが残り易い傾向があった。 4)比表面積はZnが高い組成で急速凝固やメカニカルアロイング材のリーチングしたものが極めて高い値を示した。
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[Publications] I.Ymamauchi,M.Ohmori,I.Ohnaka: "Rapid solidification and mechanical alloying of Al-Co-Cu ternarv allovs forchemical leaching"Journal of Alloys and Compounds. 299. 276-286 (2000)
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[Publications] I.Ymamauchi,M.Ohmori,I.Ohnaka: "Metastable phase formation by chemical leaching of AL-Co-Cu"Journal of Alloys and Compounds. 299. 269-275 (2000)