1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650765
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前田 敬之 九州大学, 工学研究科, 助手 (50150496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80294891)
中川 大 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80260719)
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Keywords | メタルダスティング / アイアンカーバイド / 炭化鉄 / メタンガス / 水素ガス / 還元 |
Research Abstract |
炭化鉄の分解過程を利用した高純度で微細な鉄粉を効率的に回収するための基礎実験として、酸化鉄ペレットを用いて炭化鉄の生成と分解過程に及ぼす温度の影響について調べた。反応ガスはH_2/CH_4(70/30)系ガスを用い,温度範囲は700-1000℃である。 700-750℃では、還元及び炭化はペレットの外側からトポケミカルに進行し、生成した炭化鉄も約3時間は分解せず比較的安定に存在した。 800℃では還元はトポケミカルに進行するが,炭化鉄はペレット表面と内部の2ヵ所から生成し共に内部に広がって行き,最終的にはペレット全体が炭化鉄となる。分解はペレット内部から外側に進み、それにつれてペレットも膨張する。 900-1000℃での炭化鉄の生成はペレット内部から生じるが生成量は少なく,分解は内部から外側に進行する。特に900℃で炭化鉄の分解と粉化が顕著で、最終的にはペレット全体が崩壊する。以上のように炭化鉄の生成と分解過程は反応温度によって大きく異なっている。800〜1000℃の場合にみられる炭化鉄がペレット内部から生成するという特異な現象もペレット半径方向の炭素濃度分布の測定とペレット構成粒子のSEM観察から説明することができた。 これまでのところ本研究の目的にかなう反応温度は炭化鉄の生成と分解が比較的速やかに進行する900℃前後の反応温度が適していると推定された。今後の課題としては、より効果的に微細鉄粉を回収するために分解速度を損なうことなく過剰の炭素析出を抑制する方法を見つけることにある。
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