1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650767
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
和才 京子 九州工業大学, 工学部, 助手 (90128124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 楠宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60023173)
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Keywords | ダイヤモンド / 非平衡相 / 超急冷 / カーボン / 球状黒鉛 / セメンタイト / 鉄合金液体 / 過冷却 |
Research Abstract |
Fe-C系状態図の共晶点組成に近い組成(C:3.61mass%,S:0.0427%)の溶鉄を1650℃から超急冷した。この超急冷したリボン断片状の鉄試料を,FIB装置こより薄片化し,透過型電子顕微鏡で観察した。試料は十分の一から一ミクロンオーダーの細かい微細組織を示しており、先に晶出したFe_3C結晶粒とその周りを取り囲む様に配置したα-鉄相が観察された。α-鉄内部には細かい斑点状のナノオーダー程度の程度の析出物が無数あり,α-鉄凝固後に析出したカーボンと思われる。このカーボンは非常に微細に分散しているため,その結晶型を確かめる事は出来なかった。今後,Fe_3C相や鉄母相を酸で溶解し,残ったカーボンだけを観察するなどの工夫を行い,同定する必要がある。なお,この試料は黒鉛球状化を妨害すると言われる硫黄を含んでいたため,鉄液相からはFe_3C相が晶出したと考えられるが,γ-鉄を経由せず,直接にα-鉄が生成しておリ,本実験の超急冷装置は900℃以上の過冷却が可能であることがわかった。従って次年度は,球状黒鉛を生成する条件下で超急冷を行うことにより,非平衡状態のカーボンの晶出について検討する。なお,遊星型ボールミルにより,Fe-C-M(M:添加金属)系のアモルファス鉄が作製可能であることを確認した。今後この遊星型ボールミルを用いた試料の作成方法の検討,或いはアモルファス状態からのカーボン析出状況について調査を行う。
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