2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650767
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
和才 京子 九州工業大学, 工学部, 助手 (90128124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 楠宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (60023173)
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Keywords | ダイヤモンド / 非平衡相 / 超急冷 / カーボン / 鉄カーバイト / セメンタイト / 鉄合金液体 / 過冷却 |
Research Abstract |
Fe-C,Fe-C-X(X=Si,Mn,Mg,S,Cu)系合金(Cmass%=4.2〜5.7,Xmass%=0.5,Smass%=0.05)を1650℃で溶解させた後,,双ローラー装置により超急冷した。得られたリボン断片状薄片試料は表,裏面を研磨した後,イオンミーリーングにより,電子を透過できるまで薄片化させた。透過電子顕微鏡で観察した結果,全ての試料にα鉄とFe_7C_3相が観察され,Fe_3Cも僅かに観察された。X線回折の結果からは,α鉄の回折ピークがダブルピークを示さない事,求めた格子定数は純粋なα鉄のものとほぼ等しい事等が示された。これより,α鉄はCを微量含んだ平衡α鉄相で,γ鉄を経由して生成したマルテンサイトでは無いことがわかった。また,Fe_7C_3相は通常得られるFe_3C相よりC量が多い化合物である。これらのα鉄とFe_7C_3相は,通常の単ロール法やガン法では観察されておらず,本装置による超急冷により,溶鉄は平衡α鉄が生成する温度まで過冷却されたと考えられ,非平衡FC_7C_3相が生成したと思われる。全ての実験試料の組織は微細であり,その多くにおいて,α鉄とFe_7C_3相が数ナノから数百ナノの幅のラメラ相を構成しており,部分的に粒状Fe_7C_3相も観察された。ただし,Fe-C-S系のみは粒状Fe_7C_3相がα鉄中に生成しておりその組織が他と異なっている。今後他の種々の第3元素や第4元素等を添加して,組織や非平衡相の出現について調査し,非平衡カーボン結晶の生成の可能性について検討する。
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