2001 Fiscal Year Annual Research Report
都市ゴミ焼却炉灰中の有害重金属を無害化・再資源化するための基礎研究
Project/Area Number |
11650769
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
雀部 実 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00016370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 智司 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (80118710)
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Keywords | 都市ゴミ / 焼却炉灰 / 重金属酸化物 / 塩化ビニル / 鉛 / 亜鉛 / 銅 / クロム / カドミウム |
Research Abstract |
都市ゴミ焼却炉残灰中の有害重金属酸化物、CdO, Cu_2O, Cr_2O_3, PbO, ZnOを塩化ビニルと共に加熱処理し、発生した金属塩化物を回収して還元し、高純度金属として再利用できるかどうかを確認することを目的とする研究である。 前年度までの研究で、(1)重金属酸化物の試薬と試薬塩化ビニル(CH_2CHCl)と反応させCr_2O_3以外の酸化物は反応して形外に除去できる、(2)酸化物量に対し相当多量の塩化ビニル、を作用させても重金属を100%近くまで除去することはできないが、塩化ビニルを小分けにして装置内に投入すると除去率は向上する、ことを明らかにした。 本年度は模擬焼却残炉灰を作成し塩化ビニルと反応させた。模擬焼却炉残灰は実炉灰の分析値を参考に、まず26%CaO-54%SiO_2-20%Al_2O_3の組成を有するマスター酸化物を作成しこれに重金属酸化物1種類を所定量添加して作成した。すなわち5種類の模擬焼却炉残灰を作成した。この模擬焼却炉残灰と試薬塩化ビニルを700℃,800℃,900℃にて反応させたところ、Cr_2O_3を含有する模擬焼却炉残灰以外は重金属を除去できることが分かった。しかしその反応は10分で止り、その除去率はどの重金属においても約30%であった。反応率をさらに向上させる工夫が必要であることが明かとなった。 現在残されている問題点は、(1)現在の方法ではCr_2O_3を含有する模擬焼却炉残灰からCrを除去できないこと、(2)Cr_2O_3以外の酸化物を含有する模擬焼却炉残灰から重金属を除去することはできるが最大除去率がまだ低いこと、である。今後この2点を模擬焼却炉残灰を用いながら解決し、解決の目途がついたどころで5種類の重金属酸化物すべてを含有する模擬焼却炉残灰を用いて実炉焼却炉残灰への適用方法を明らかにすることを予定している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 奥田壮, 雀部実, 山下智司: "都市ごみ焼却炉残灰中重金属の廃塩化ビニルによる除去"CAMPS・ISIJ. Vol.14. 233 (2001)
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[Publications] 雀部実, 山下智司 他4名: "溶融Siと平衡したTiO_2あるいはZrO_2を含有する溶融CaO-SiO_2-Al_2O_3系酸化物のナイトライドキャパシティ"鉄と銅. Vol.187, No.12. 727-733 (2001)