1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650775
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 茂 金沢大学, 工学部, 教授 (50019759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汲田 幹夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60262557)
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Keywords | 混合装置 / 剪断特性 / スクリュー型翼 / 混合時間 / 所要動力 / アルギン酸ビーズ |
Research Abstract |
本研究では、温和な混合を達成する混合装置を開発することを最終目的として二つの課題に取り組んでいる。本年度の研究進捗状況は以下の通りである。 <混合槽内における剪断作用の定量化に関して> 混合槽に混入したアルギン酸ビーズ(圧縮破壊法により機械的強度を測定)の残存個数を経時的に測定することにより、タービン型翼およびスクリュー型翼の混合時の剪断特性を水について検討した。ビーズ破砕の速度および完了時間を求め比較したところ、両者は攪拌翼の回転数に対して直線的な依存性を示すことが明らかとなり、剪断特性の評価尺度として利用可能であることが示された。高粘性液については、この方法の適用は容易ではなく、ビーズ内に封入した内容物の漏出速度を測定する方法が剪断性評価尺度として有望であると示唆された。 <低剪断性攪拌槽の開発(層流域の特性解析)に関して> 試作平底型混合槽内にスクリュー型翼を設置し、色素法により槽内流れを可視化して混合状況を観察した。また、混合時の所要動力をトルクメータで、さらにトレーサ添加による電気伝導度の経時変化を追跡することによって混合完了時間を測定した。その結果、(回転数)×(混合完了時間)=(一定値)が成立するものの、スクリュー型翼はこの定数が液粘度依存性を示すことが判明した。所要動力は、液粘度によらず(動力数)×(攪拌レイノルズ数)=(一定値)で表現できた。また、流動状態の観察により、槽形状を円底に改良することが混合特性向上に有効であることが示唆された。 次年度には、データの補充に加えて、既往攪拌翼の混合特性との比較、剪断特性の評価法確立を目指し新規な実験を実施する予定である。
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