2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650775
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 茂 金沢大学, 工学部, 教授 (50019759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汲田 幹夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60262557)
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Keywords | 混合装置 / 剪断特性 / スクリュー型翼 / 混合完了時間 / 撹拌所要動力 / アルギン酸ビーズ |
Research Abstract |
本研究は、温和な混合を達成する低剪断性混合装置の開発を最終目標に掲げ、その実現のために低剪断性輸送ポンプに使用されているスクリュー型羽根車を混合装置の撹拌翼に適用することを提案するものである。昨年度の研究結果を踏まえ、本年度は広範囲の粘性領域に適用可能な剪断特性評価法の確立と混合性能の評価に基づく装置の最適化について検討を行い、以下の知見を得た。 1.混合槽内における剪断作用の定量化:昨年度提案したアルギン酸ビーズ混入法では、水飴水溶液(母液)の撹拌時にビーズの収縮が起こる問題が生じたが、ビーズ生成過程においてアルギン酸ナトリウム溶液の溶媒に50wt%水飴水溶液を用いることで解決し、9.8Pa・sの粘度条件においてスクリュー型翼、傾斜パドル翼を用いた場合の剪断特性をビーズ残存個数変化として評価することができた。また、ビーズの初期破砕速度と撹拌所要動力には直線関係が成立し、その傾きは撹拌翼形状に依存することが明らかとなった。以上のことから、本ビーズ混入法が剪断特性の定量評価法として適用できることが示唆された。 2.低剪断性撹拌槽の開発:スクリュー型翼撹拌槽の最適設計基準を確立するために、種々の装置および操作条件の下で混合実験を行った結果、螺旋状一枚羽根の巻き付け間隔:29mm,スクリュー翼とケーシングの間隔:2-3mm,槽底から翼最上面までの距離/液深:1.25,槽径/翼最大径:4/3の場合において良好な混合性能が得られることが分かった。また、スクリュー型翼と傾斜パドル翼を用いた撹拌槽において液粘度を最大13.8Pa・sまで拡張した結果、混合特性は昨年度と同様の傾向を示すこと、混合完了時間は撹拌翼形状によらず液粘度に依存すること等が明らかとなった。
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