2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650786
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柘植 秀樹 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺坂 宏一 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00245606)
|
Keywords | 二相泡 / 熱移動 / 重合反応器 / モノマー蒸気 / ポリマー粒子 / 気泡塔 / 粒径 / 粒径分布 |
Research Abstract |
懸濁重合によるポリマー粒子製造は通常は攪拌槽型重合反応器を用いて、モノマーを水相中に攪拌翼により分散させつつ、重合反応を行わせているが、撹拌による分散では、生成液滴がブロードな粒径分布を持ち、省資源・省エネルギーの観点から無駄が多い。そこで、研究代表者らは従来の研究成果の蓄積により、反応器内の液中に置かれた定流量ノズルより、モノマー蒸気をシャープな粒径分布を有する二相泡として分散させた後に、液中で冷却凝縮させ粒径のそろったモノマー液滴を作成する方法を確立した。次に重合反応を行い、攪拌槽型反応器に比べより均一な粒径分布を有するポリマー粒子を生成する新規な重合器の開発に取り組んだ。 平成11年度には、粒径のそろったモノマー液滴を作成する新規な方法を確立したので、新重合器の開発を目的として、ガラス製外部循環式気泡塔型重合反応器の設計、作製を行った。すなわち、連続液相が下向きに流れているダウンカマー部は、下部からスチル部、モノマー蒸気泡生成部、モノマー滴予備重合部からなる。ダウンカマー部はテーパー付円管で、塔高は350mmである。スチル部では、ヒーターによりモノマー液を沸点以上に加熱、蒸発させ、ノズルがセットされた蒸気泡生成部より均一な大きさの二相泡として液相中に分散させる。液相温度はライザー部の温度調節器により制御される。モノマー二相泡はこの液相中を上昇中に凝縮し、モノマー液滴となるが、添加されている重合開始剤により重合を開始し、モノマー二相泡生成部の上部にセットされたモノマー滴予備重合部内で成長するうちに重合反応がある程度進み、所定粒径になった段階で本重合反応器から抜き出し、次の攪拌槽型重合反応器に送る。ここでポリマーを必要時間滞留させ、所要重合度、所望最終粒径に調整する。 平成12年度は、酢酸ビニールの重合操作法の検討を行い、重合器への原料の添加順序や操作因子を変えて実験を行い、得られた酢酸ビニールポリマー粒子径分布をデジタルマイクロスコープにより測定した。定流量ノズルから生成するモノマー粒子の粒径分布およびポリマー粒子の粒径分布について実験的、理論的に検討し、均一ポリマー粒子の特性評価を行った。
|