2001 Fiscal Year Annual Research Report
CCSEM分析システムの構築とごみ焼却炉内で発生する焼却飛灰の生成機構の解明
Project/Area Number |
11650801
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Research Institution | CHUBU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 助教授 (10164633)
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Keywords | CCSEM分析 / フライアッシュ / 廃棄物燃焼 / 微量金属 / 灰溶融 / 下水汚泥 |
Research Abstract |
「元素組成」や「灰組成」のような灰の巨視的な特性の代わりに、粒子一個一個の組成と粒径のデータをもとに炉内における灰挙動の検討をすることを目的に、下水汚泥を流通式燃焼炉(DTF)で燃焼したときに発生する燃焼灰粒子を数千個レベルで採取し、燃焼灰の粒径分布ならびにそれぞれの粒子の化学分析をComputer Controlled Scanning electron Microscopy(CCSEM)を使用して測定した。 滞留時間0.8秒における乾燥汚泥粒子の反応率は加熱温度とともに上昇し、1500℃では反応率が90%に達した。採取した粒子のCCSEM測定から、1100℃で採取したチャーの無機粒子はほとんど溶融せず、乾燥汚泥中の無機粒子とほぼ同じ粒径分布であったが、1300℃以上に加熱した場合は、無機粒子の溶融が観察された。無機粒子のEDS分析から、未溶融の輝度の低い粒子はP、Ca、S、Fe、Mg、Naなどであったが、輝度の高い粒子はCaが60%〜80%程度あるいはSi-Alが50%程度含まれていた。一方、溶融した粒子は、Si:〜10%、Al:〜8%、Ca:20%〜30%、P:〜20%、Fe:〜6%の混合物であった。これらの粒子の溶融温度をFactSageで平衡計算したところ、1300℃以上では溶融スラグ相を形成することがわかった。さらに、燃焼時に汚泥から揮発した元素の挙動を測定した結果、K、Sは900℃においてほぼ揮発した。Ti、Zn、P、Na、Cuなどは温度上昇とともに揮発する割合が増加し、Cr、Mgなどはほとんど揮発しないことが明らかになった。これらの結果は、概ね平衡計算と一致した。
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Research Products
(1 results)