2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650812
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
長田 秀夫 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (70221463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永末 宏幸 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30037866)
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Keywords | CFC-115 / 加水分解 / 表面水酸基 / Lewis酸 / アルミナ-ジルコニア触媒 |
Research Abstract |
昨年度は、種々のジルコニア質量分率をもつアルミナ-ジルコニア触媒の酸性質とブタン共存下でのCFC-115の燃焼分解活性との関係について検討したが、燃焼分解ではブタンの燃焼による影響で無触媒でも反応が起こるため触媒の酸量と活性の厳密な関係は得られなかった。そこで、燃焼分解はブタンの燃焼により生成した水がCFC-115の分解に影響すると考え、今年度は無触媒では反応が起こらない加水分解を行った。アルミナ-ジルコニア触媒のCFC-115加水分解速度は触媒酸量の増加とともにほぼ直線的に増加した。このことからCFC-115の分解は酸点上で起こることがわかった。さらに、初期転化率を同程度にしてジルコニア質量分率の異なるアルミナ-ジルコニア触媒の活性低下の度合いを比較したところ、ジルコニア質量分率が大きいほど活性低下の度合いが小さいことがわかった。吸着ピリジンの赤外吸収スペクトルによりBronsted酸およびLewis酸の量を測定したところアルミナ-ジルコニア触媒にはBronsted酸は無くLewis酸のみが存在し、ジルコニア質量分率が大きいほどLewis酸の量が少ないことがわかった。アルミナ-ジルコニア触媒上には多くの表面水酸基が存在していることから、CFC-115の分解は表面水酸基とLewis酸上で分解することが推察された。Lewis酸量が多い触媒ほど活性低下の度合いが大きかったのは、Lewis酸は直接ハロゲンと相互作用を起こし分解が進行すると考えられるため水によりハロゲンが除去できず酸点の減少に繋がったためと考えられる。
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