1999 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的手法によるシトクロームP450の活性発現と不斉有機合成への応用
Project/Area Number |
11650820
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 修司 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (80217033)
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Keywords | 酵素電気化学 / シトクロームP-450cam / プチダレドキシン / 電気化学 |
Research Abstract |
本研究課題においては、電極からシトクロームP-450camへの電子授受を手段として酵素活性調節の要因を明らかとし、効率的な電極によるシトクロームP-450cam活性発現の方法を開発し、ついで、開発した電極・シトクロームP-450camシステムによる種々の不斉有機化合物の合成法を開発する。上記目的のため、本年度は以下のことを明らかとした。シトクロームP-450cam、プチダレドキシンを種々の方法により固定化した酵素電極を作成し、それぞれのタンパク質への電子授受およびシトクロームP-450camの活性発現について検討した結果、両タンパク質のAsp,Gluなどのカルボキシル基を用いて固定化した電極ではタンパク質と電極間での電子授受は観測されず、Lysのアミノ基を用いて固定化した場合のみ電子授受が観測された。また、シトクロームP-450cam固定化電極においては電極とシトクロームP-450cam間のスペーサー長が効率的な電子授受において重要であった。さらに、シトクロームP-450camの活性発現について検討した結果、本酵素の活性発現においてプチダレドキシンが単なる電子伝達タンパク質としての役割のみならず、シトクロームP-450camの活性調節に重要な役割を担っていることが明らかとなった。また、分光学的な検討から、シトクロームP-450camの電気化学的手法による活性発現を効率的に行うには,本酵素のシトクロームP-420への変性を抑制することが重要であることが判った。
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