2001 Fiscal Year Annual Research Report
硝化促進型中空糸バイオリアクターによる排水中のアンモニア除去
Project/Area Number |
11650824
|
Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80180884)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (40259966)
井出 俊輔 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (10041550)
|
Keywords | 環境安全工学 / 排水処理 / アンモニア除去 / 硝化 / 脱窒 / 中空糸型バイオリアクター / ポリスルフォン |
Research Abstract |
脱窒反応は水素供与体としてTOC ratioが3.0以上の有機炭素源を必要とするが、この炭素源を実際の下水処理場における原水中のBODで代替可能か否かについて北九州市浄化センターに実証プラントを建設し、実排水を用いた実証試験を行った。TOC ratio3.0において約6ヶ月の連続運転の結果、脱窒速度は120mg-N/l・h程度が得られ実験室データとほぼ同程度の速度が達成された。これより実排水中のBODが水素供与体となり得ることを実証した。一方、このBODは硝化反応に対し阻害的に働き、20ppm程度の濃度で硝化速度は最大値の60%程度に低下した。従って、実排水中のアンモニア性窒素除去においては脱窒反応によるBOD除去と硝化反応を組み合わせた脱窒・硝化連続プロセスが有効であり、これによって100mg-N/l・h以上の窒素除去速度が達成された。また、脱窒速度と溶存酸素濃度(以下、DOと略記)との関係では、DOが高いほど脱窒速度は低下するが、脱窒反応が窒素を生成する反応であることから、窒素ガスバブリングによって充分にコンデイショニングしたリアクターにおいては、DOは1ppm以下に維持されており新たな窒素ガスの流通は必要ないことが明らかとなった。温度の影響については、夏場の25℃と冬場の15℃との比較では15℃で約50%の低下が見られた。 1年間に亘る連続運転でのリアクターの耐久試験の結果、ポリスルフォン中空糸の物理的、化学的損傷は全く問題は無いが、脱窒リアクターでは菌体の増殖が早く、中空糸表面に堆積する余剰菌体が液の偏流の原因となって接触効率を低下させるため2〜3ヶ月の間隔で除去する必要があった。一方、硝化リアクターでは独立栄養バクテリアであり、増殖はそれほど大きくはなく1年間の連続運転で余剰菌体による偏流の問題はなかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 畑中千秋: "中空糸型バイオリアクターによる排水中の窒素除去システムの開発"第9回地球環境シンポジウム論文集. 9. 273-278 (2001)
-
[Publications] 吉田昌弘: "固定化脱窒菌を利用した地下水の硝酸性窒素除去技術の開発"エコインダストリー. 8. 24-32 (2001)
-
[Publications] Chiaki Hatanaka: "Nitrogen Removal by Hollow Fiber Biofilm Reactor"Proceedings of The 4th Kyushu/Taipei International Chemical Engineering Conference. 114-116 (2000)
-
[Publications] 畑中 千秋: "低温プラズマ技術による高分子中空糸表面の改質と微生物の固定化"平成9〜11年度科学研究費補助金成果報告書. 1-14 (2000)
-
[Publications] 畑中 千秋: "高性能バイオリアクターの開発"バイオインダストリー. 16. 40-50 (1999)
-
[Publications] Chiaki Hatanaka: "Nitrification with Biofilms on Hollow Fiber in Membrane Bioreactor"Proceedins of The Third Taipei-Kyushu Joint Symposium on Chemical Engineering. 224-226 (1999)