2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650836
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 徹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40186945)
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Keywords | 温度感応性高分子 / 架橋剤 / キャピラリーガラス / 温度制御 / 濡れ / 微小流路 |
Research Abstract |
本年度は内径の異なるキャピラリーガラス内壁に温度感応性高分子を修飾する条件を詳細に検討し、その最適化をはかるとともに本法を実際の分析に適用するための検討として流路の接続・配置法及び加温による濡れ制御による溶液流れ切換えを行った。ガラス内壁へのシランカップリング剤の導入は昨年度と同様に行い、高分子修飾は(N-イソプロピルアクリルアミド)[NIPAAm]とビスメチレンアクリルアミド[Bis]混合水溶液に窒素雰囲気下0℃でTEMED/過硫酸アンモニウム(Redox重合開始剤)を加えたものをただちにキャピラリーに注入して行った。その結果、高分子被覆はNIPAAm濃度及びBis混合比が大きいほど完全となり、温度による濡れ変化を大きくすることができるものの、表面の特性変化に要する時間が極端に長くなった。また、キャピラリーの内径が細いほど注入する溶液の粘度の限界があり、キャピラリーの内径による高分子原料の組成は異なった。マイクロ流路のために最適な内径0.1mmのキャピラリーにおいては0.4%(w/v) NIPAAm:Bis (= 100:0.05)が最適条件であった。次にこのキャピラリー30mmをY字コネクターを介して1流路から2流路に分岐する直後に接続した流路を作製し、マイクロシリンジポンプを用いて蛍光色素を含む水溶液を流した。一方の高分子修飾キャピラリーを45℃に加温することで、もう一方の流路にのみ選択的に送液することができた。また、加温する側を切り換えることによって、瞬時に溶液の流れが切り換った。しかし、キャピラリーの内径が0.2mmを超えると流れの切換えの後も最初の流路への送液は続いた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Saitoh,T.Matsudo,C.Matsubara: "Micelle-Mediated Extraction for Concentrating Hydrophobic Organic Compounds"Journal of Chromatography A. 879(2). 121-128 (2000)
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[Publications] 齋藤徹,浜園陽子,櫻井照明,松原チヨ: "温度感応性高分子の凝集現象を用いるボリリボ多糖の捕集"分析化学. 49(8). 631-633 (2000)
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[Publications] T.Saitoh,Y.Yoshida,C.Matsubara: "Concentration of Nonylphenol and Its Polyethoxylated Derivatives by Polymer-Mediated Extraction"Journal of Chromatography A. 891(1). 75-80 (2000)