1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11650840
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐治 哲夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60142262)
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Keywords | フタロシアニン / 染色 / 木綿 / トリフルオロ酢酸 / ジクロロメタン |
Research Abstract |
本研究では、容易な操作で堅牢度の優れたフタロシアニン類により線維を染色することを目的として、トリフルオロ酢酸と有機溶媒との混合溶媒にフタロシアニン類を溶解した溶液に木綿を浸せきすることによる無置換のフタロシアニン類による木綿の染色について研究している。トリフロオロ酢酸を種々の有機溶媒に溶解し、この溶液にフタロシアニン(MPc)を溶解し、この溶液に木綿を一定時間浸せき後、エタノールで洗浄して染色物を得た。トリフルオロ酢酸のジクロロメタンに溶解した1mMCuPcの溶液に木綿を1時間浸せきし、エタノールで洗浄したところ鮮やかな青色の染色物が得られた。ジクロロメタンの代わりにクロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン、p-キシレンを用いても染色できたが、メタノールなどのアルコール類、エステル類ではCuPcが溶解せず、染色出来なかった。同様の方法によりH_2Pc、MgPc、NiPc、VOPc、CuPcClについても木綿を染色できた。しかし、CuPc、MnPc、FePc、ZnPcについては染色できなかった。これは、これらの化合物がトリフルオロ酢酸の溶液中で酸化または分解するためと考えられる。染色物の1-クロロナフタレン抽出液の可視吸収スペクトルはCuPcのそれと一致し、木綿がCuPcにより染色されていることがわかった。これは強酸中でCuPcのプロント付加体が生成し、エタノール洗浄により木綿上でCuPcが再生したことを示している。
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[Publications] Shunlin Liu: "Formation of Films and Photoimages of Pigments by Photoisomerization of Surfactants with a Sporopyran Moiety"J.Jpn.Soc.Colour Material. 72・4. 218-227 (1999)
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[Publications] Tetsuo Saji: "Reactions and Synthesis in Surfactant Systems"(ed.) J.Texer,Marcel Dekker Inc.,NewYork (in press).