2000 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック分子組織体の固液界面における動的挙動の電気化学制御
Project/Area Number |
11650849
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相楽 隆正 長崎大学, 工学部, 助教授 (20192594)
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Keywords | メゾスコピック系 / 分子組織体 / 固液界面 / 電極表面 / ダイナミクス / 相転移 / 金ナノ粒子 / アニオン効果 |
Research Abstract |
1.金電極表面上のビオロゲンチオール単分子層の動的挙動とその制御 ビオロゲンの動的酸化還元挙動は、ビオロゲンおよびそのラジカルカチオンと電解質アニオンとのバインディングだけでなく、単分子層形成時の共存アニオンによっても強く影響を受けることがわかった。共存アニオンの記憶は、より疎水性の高い電解質イオンによって消去されること、膜内-電解質溶液間のイオン交換は非常に速いことなどが解明された。また、これらの現象は、金電極が単結晶であるか否かに依存することを発見した。このように、単分子層の酸化還元に伴うダイナミックなイオン移動は、単に電荷補償のために共役するだけでなく、膜構造にダイナミックに影響することが浮き彫りになった。 2.長鎖ビオロゲン単分子吸着層の動的挙動-酸化還元による膜構造の動的制御 長鎖ビオロゲン単分子吸着層は、スパイク状のポルタンメトリ応答を与える。この応答が、酸化還元に伴うGibbs膜とLangmuir膜間のファラデー相転移であり、相転移は緩慢転移でなく一次転移であって、相変化のダイナミクスは核生成-成長-衝突メカニズムに支配されることを、HOPG電極上のへプチルビオロゲンについて発見した。 3.金ナノ粒子の動的挙動 金電極表面上に有機単分子層(種々の鎖長のアミノアルカンチオール等)を介して固定化した金ナノ粒子の動的分光電気化学測定を、ER法を用いて行ったところ、表面プラズモン吸収の変化に伴う応答が観測され、それが粒子のcharging-dischargingのダイナミクスによるものであることが明らかになった。さらに、単分子膜修飾金クラスターの単結晶金電極表面でのダイナミックな電位応答挙動を検出することに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Toward the Interpretation of Electroreflectance Spectral Profiles : Hemin Adsorbed on a HOPG Electrode Revisited"Applied Spectroscopy. 54・2. 316-323 (2000)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Does Thiol-Functionalized Viologen Memorize Anion Present When Forming the Monolayer?"Journal of Electroanalytical Chemistry. (印刷中). (2001)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Study of the Voltammetric Spike Response of Heptylviologen at a HOPG Electrode Horizontally-Touched to Gas/Heptylviologen Aqueous Solution Interface"Langmuir. (印刷中). (2001)
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[Publications] Takamasa Sagara: "Viologen Monolayers : Dynamics on Electrode Surfaces in Studies in Surface Science and Catalysis"Elsevier (印刷中). 4 (2001)