1999 Fiscal Year Annual Research Report
熱ポーリング処理を行ったガラスの光学的異方性の研究
Project/Area Number |
11650859
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
那須 弘行 三重大学, 工学部, 助教授 (20189179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 忠範 三重大学, 工学部, 助手 (10271016)
神谷 寛一 三重大学, 工学部, 教授 (00024597)
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Keywords | ガラス / 光学的異方性 / 第二高調波発生 / 強誘電性 |
Research Abstract |
ガラスからの第二高調波発生には、様々の要因がある。GeO_2ドープSiO_2バルクガラス及びファイバーから発生する第二高調波は、GeE'センターという電子欠陥が原因とされている。一方、他の均質系ガラスからの第二高調波発生は、双極子の配向によるとする説と、空間電荷分布によるとする説があり、決着はついていない。我々は今までSiO_2ガラス、TiO_2含有、Ga_2O_3含有、Nb_2O_5含有、PbO含有珪酸塩ガラスから熱ポーリング処理により第二高調波が発生することを確認した。一方、第二高調波を発生することがわかっている結晶を透明を保ちつつガラス中に折出させた結晶化ガラスからも第二高調波が観測された。第二高調波の発生原因が、自発分極であれば必ず強誘電性も同時に検出されるはずである。そこで我々は第二高調波を発生するSiO_2ガラスや結晶化ガラスを熱ポーリング処理して、その光学的異方性と強誘電性の観測を試みている。残念乍ら、未だ強誘電性は確認されていないが、ポーリング前後に誘電特性に変化のあることがわかった。今後は更に高電圧を印加して強誘電性の有無を調べる予定である。他方、他の珪酸塩ガラスからの第二高調波を検討し、そのメカニズムを明らかにする試みも行っている。我々はあらたにアルカリ土類含有混合アルカリ珪酸塩ガラスからの第二高調波発生を見い出した。混合アルカリ珪酸塩ガラスからは第二高調波発生は見られないことから、これはアルカリ土類イオンの働きであると考えられる。メーカーフリンジパターンもブロードであることから我々はこれが表面反応であると確信し、赤外反射スペクトルで結合状態を調べた。その結果ポーリング前後で一部のアルカリ、又はアルカリ土類イオンが移動していることがわかった。
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Research Products
(2 results)