2000 Fiscal Year Annual Research Report
NF_3プラズマアシスト反応およびNF_3熱化学反応によるSiCのフッ素化
Project/Area Number |
11650864
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田坂 明政 同志社大学, 工学部, 教授 (90066275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80243046)
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Keywords | 三フッ化窒素 / 炭化ケイ素 / 平滑化 / プラズマエッチング / 発光分光分析 / スパイク |
Research Abstract |
NF_3圧力が3Paの場合にエッチング速度は最小となり、それよりNF_3圧力を減少しても、また、増加してもエッチング速度は増加した。その原因を究明するため、NF_3圧力を2Paと20Paに絞り、Power 100Wの下でプラズマエッチングを行った。AMFによる表面観察から、NF_3圧力2Paでは平滑な表面が得られたが、20Paでは表面にスパイクの生成が確認された。そこで、650〜750nmの領域でFラジカルの存在を、また、350〜450nmの領域ではN_2^+やN_2の存在を発光分光分析で観察したところ、いずれのNF_3圧力の下でも、それらの化学種が確認できた。しかも、NF_3の圧力の増大とともに、それらの化学種に帰属されるスペクトルの強度が増大した。 以上の結果から、低いNF_3圧力下では、主にN_2^+などのプラズマ種による物理的エッチングにより、また、高いNF_3圧力下では、主にFラジカルによる化学的エッチングにより、高いエッチング速度が得られること、および2Pa程度の低いNF_3圧力下では、SiCの平滑化が可能であることがわかった。また、SiCとNF_3との化学反応では、Siが、優先的に、NF_3から生じたFラジカルと反応することから、低いNF_3の圧力下では、SiとFラジカルとの反応による化学的エッチングの速度とN_2^+によるCの物理的エッチングの速度のバランスがとれ、スパイクが生じなかったものと考えられる。
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