2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規反応環境を指向するインジウム活性種の開発と合成反応への展開
Project/Area Number |
11650874
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 章夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20144438)
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Keywords | インジウム化合物 / 還元剤 / スズヒドリド / ラジカル反応 / ヒドロシラン / ルイス酸 / アルコール / 脱酸素反応 |
Research Abstract |
本研究では新しいインジウム活性種の発生法およびその合成的利用法の開発を目的としたものである。具体的には(1)インジウムヒドリドの合成的利用(2)インジウム-ケイ素の組み合わせによる新規ルイス酸の利用。を行った。 (1)合成的な利用がいままでに報告されたことのない全く新しい還元剤インジウムヒドリドを開発した。昨年度までにインジウムヒドリドがスズヒドリドと塩化インンジウムから容易に生成することを見いだし、アルデヒド、ケトン、酸塩化物に対する還元選択性を検討した。その結果、アルデヒドなどに対して適度な還元力をし還元剤として有効に作用することがわかった。中でも酸塩化物の還元反応ではハロゲン部分のみと反応しアルデヒドを選択的に与えるといった他の還元剤では不可能な選択性を達成した。本年度はハロゲン化物の還元に注目したところ、各種の臭化アルキル、ヨウ化アルキルを容易に還元し、触媒量の塩化インジウムの使用で十分反応が進行することを見いだした。さらに本反応がラジカル反応で進行していることをつきとめ、ラジカル環化反応へと適応可能になった。特に本反応の大きな特徴は室温という温和な条件でラジカル反応が進行することであり、高温条件を必要とする従来法に比べて大きな利点が有ると言える。 (2)塩化インジウムがヒドロシランとの組み合わせにより新規ルイス酸として作用することを見いだした。昨年までに芳香族化合物に対するカルボニル化合物の還元的Friedel-Craftsアルキル化が効率良く進行し、適応範囲を明らかにした。さらにケトン類の効率的脱酸素反応を達成した。本年度の研究においては、反応機構の検討を詳細に行い、その過程でアルコールの脱酸素反応も効率良く進行することを明らかにした。アルコールの脱酸素反応では芳香族のみならず、脂肪族ケトンの脱酸素反応を達成できる条件を確立した。また、本ルイス酸系はカルボニル化合物の脱酸素的官能基導入反応に広く適応可能であることがわかった。
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[Publications] 馬場章夫: "Selective Reduction of Acid Chloride with a Catalytic Amount of an Indium Compound"Tetrahedron Lett.. 41. 113-116 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Reductive Amination Promoted by Tributyltin Hydride"Synlett. 556-558 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Synthesis of Carbocycles by Enone-selective Reduction using Organoiodotin Hydride"Tetrahedron Lett. 41. 3403-3406 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Chemoselective Reductive Amination of Aldehydes and Ketones by Dibutylchlorotin Hydride-HMPA Complex"Synthesis. 789-800 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Indium Compound-Catalyzed Deoxygenative Allylation of Aromatic Ketones by a Hydrosilane-Allylsilane System"Tetrahedron Lett.. 41. 2425-2428 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "An ab Initio Computational Study on the Reaction of Organotin Enolates : Comparison of Highly Coordinated Tin Reagent with Noncoordinated Reagent"J.Am.Chem.Soc.. 122. 7459-7455 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Remarkable Enhancement of Nucleophilicity of Tin Enolates toward Nitro- or Cyanoalkenes by Tetrabutylammonium Halides"Chem.Lett.. 1266-1267 (2000)
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[Publications] 馬場章夫: "Highly Regioselective Addition of an Ester Enolate Equivalent to a, b-Unsaturated Ketones : Selective Formation of Both Isomers"Chem.Commun. 2149-2150 (2000)