1999 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性な蛍光性キノキサリン類を用いた高感度光学純度決定試薬の開発に関する研究
Project/Area Number |
11650876
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
加藤 明良 成蹊大学, 工学部, 教授 (00167339)
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Keywords | キノキサリン / 蛍光 / HPLC / 光学純度決定試薬 / ナプロキセン / イブプロフェン |
Research Abstract |
近年、睡眠薬として使用されたサリドマイドに代表されるように、エナンチオマー間で薬理作用や副作用が全く異なる例が幾つも報告されている。この事件を契機に高い光学収率が得られる不斉合成法や高感度な光学純度決定試薬の開発に大きな関心がもたれるようになった。以上のような背景を踏まえ、本研究では、当研究室で開発した強い蛍光を示すキノキサリンにプロモアセチル基やアミノ基を反応基としたアミノ酸残基を含む光学活性蛍光物質を合成し、キラルなカルボン酸類の高感度な光学純度決定試薬としての可能性をHPLCを用いて評価することを目的とした。 平成11年度は、キノキサリンを含む蛍光性のジアステレオマーの合成を中心に研究を進めた。その結果、以下のような成果が得られた。1.4-ニトロ-1,2-フェニレンジアミンから4段階の反応を経て、6-アミノ-2,3-ジモルホリノキノキサリン(a)を合成した。2.化合物(a)からアミノ酸またはブロモアセチルアミノ酸が6位のアミノ基に直接結合した蛍光性の光学活性キノキサリン類(b)を合成した。3.化合物(b)とラセミ体のカルボン酸類(2-フェニルプロピオン酸・ナプロキセン・イブプロフェン)を向山法によりカップリングし、2時間以内に高収率で蛍光性ジアステレオマ-(c)を得ることができた。4.蛍光性ジアステレオマ-(c)はMeCN中で約370nmで励起したところ、440nm付近に強い蛍光を発することがわかった。 これまでの研究成果の一部はHeterocycles誌に既に発表し、一部は日本化学会第78春季年会で発表を予定している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加藤明良: "Synthesis of Quinoxaline Deriratires and Application to a Fluorescence Deriratization Reagent"Heterocycles. 52・2. 911-920 (2000)
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[Publications] 加藤明良: "6位にプロリン残基を含むキノキサリン類の蛍光キラル誘導体化試薬への応用"日本化学会第78春季年会講演予稿集. 4G114(印刷中). (2000)